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Aside
「先輩は、俺に会いたくて、会いに来てくれたんすよね？」
大きな瞳で、私を見つめる。
全て見透かされているようで怖い。
「う、うん」
「ほんまですか！それって脈アリって思ってもええんですか？」
「みゃ、脈アリ！？え！あの福本くんってもしかして…」
「わ！ちょ！それ以上は言わんでください！」
顔を真っ赤にして私の口を抑える福本くん。
こう見るとやっぱり福本くんって後輩なんだ。可愛い。
「すぅ…ふぅ…あの！Aちゃん先輩！」
「は、はい！」
「俺、Aちゃん先輩が、好きです！」
「わ、私も！好き…」
「よっしゃー！！！」
天井を突き抜けるほどのガッツポーズを決める福本くん。多分今の笑顔は一生忘れないと思う。
「最後に手紙入れたのどっちっすかね？」
そういえば直近で視聴覚室で映像授業があったのは2ヶ月ほど前で、最近やり取りが出来ていなかった。
机に手を突っ込んで、小さい紙を探す。
四つ折りの紙に指がふれたため、それを取り出してみると福本くんのメモ帳の紙だった。
「あれ？俺やったんや、ってあ！やだ！みんで！」
急に福本くんが私の持っていた紙を取ろうとしたため、さらに内容が気になり、私は福本くんに背を向けてその紙を開いた。
Aちゃん先輩に伝えたいことがあります。好きです。会ったこともないけど、手紙からきっと素敵な人なんやなと思いました。想いを伝えたかっただけなんで、今まで通り手紙のやり取りは続けてほしい、なんて…笑
いつもの手紙とは違う、ラブレターみたいな内容だった。
「やから見ないでって言ったんに…」
「ふふ笑嬉しい。これ、もらってええ？」
「え…いやそんなんでええなら…いややっぱ恥ずいからいやや…」
「あ、せや。今返事書くな？」
「…ぅえ？」
そう言いながら私はポケットに入っていたメモ帳を破いて、隣の机の上に偶然あった鉛筆でメッセージを書いた。
私も好きだよ
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作者名：晴 | 作成日時：2022年11月29日 19時
