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Aside
「よっすーA。って意外と浴衣似合うやん」
「ほんまやーん！」
待ちに待った花火大会の日。緊張しすぎて待ち合わせの時間よりも30分早く来てしまっていた。そして今こじけんと大晴が来た。
「意外とってなんや意外とって！てか2人も浴衣やん。意外と、似合うな〜」
「「意外とってなんや意外とって！」」
「あっはは笑ナイスハモリ〜！」
浴衣を来たこじけんと大晴はいい男って感じ。2人は気づいてないと思うけど、周りの女子の視線が痛いよ。怖いよ。
「あ、皆ついてたんやな。お待たせ」
いつも私を虜にする、あの人の声が聞こえた。
「おー！まっさんかっこええ！」
「ありがとう」
ー覚悟はしていたけどめちゃくちゃかっこいい。
「A選手どうですか！正門くんの浴衣は！」
「ちょあんまでかい声出すなって…！！」
「やっぱ男前やなまっさん」
「ほんま…かっこええわぁ…」
「きっしょ自分顔見てみぃ」
「恋する乙女になんてこと言うねん」
こじけんといつも通り(？)恋バナをしているとまっさんに話しかけられた。
「ん？2人俺のことジロジロ見て何話してるん？」
「いや〜！なんでもないよ！気にしないで！」
「…そか」
一瞬まっさんの目が揺れた。気のせいかな。
「？ほないこかー！なぁなぁどこから行くー？俺射的がいい！」
「いや邪道すぎんかたこ焼きから行くやろ普通」
こじけんと大晴が前を歩いて、私とまっさんが後ろで2人。ちょーむり！デートか！
「A、浴衣似合ってるな〜かわええ」
まままままっさん！？むむむむり……むりむり………
ああ、リア恋王子だったな。まっさん。
やべ！あぶねー！忘れてた。リア恋王子だったわぁ…
皆にこういうこと言ってるんだよね…さびしい…
「え、あ、ありがとう…まっさんも似合ってる、ね！」
「喋り方ぎこちないなぁ笑ありがとう。A、なんの屋台行く？」
そう言うとまっさんは人混みに飲み込まれそうな私の手を引っ張って人の少ない通りに出た。
「ここ、人少なくてええ道やろ？ゆっくり決めてから、計画的に屋台回ろか」
どうしよう。嬉しいのに。
こじけんの作戦に行く前に、2人きりになったせいで鼓動が速まるばかりだ。
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作者名：晴 | 作成日時：2022年11月29日 19時
