今日:30 hit、昨日:23 hit、合計:41,136 hit
小｜中｜大
・ ページ19
Aside
担任になってから暫く経って、教育相談が行われることになった。
あれから佐野くんは少しずつ心を開いていってくれたのか最終的に毎日笑顔で話しかけてくれるようになった。
｢ちょっと佐野くん。この進路は…なに？｣
教育相談前に第1〜3志望までの進路アンケートを行った。
まだ2年生だから別に確定する訳では無いけど…
｢先生と結婚って…｣
いやいやいや4月の佐野くんからは想像できない弄びぶり。怖いって。
｢僕、先生のこと好きなんです。せやから先生と結婚したいなって｣
｢いやうん、あのね佐野くん。まず立場ってものを…｣
｢先生のタイプ歳下っすよね？｣
｢おいおい話を聞いてくれよ｣
唐突に私との結婚生活を目を輝かせながら語る佐野くん。
語り終わった佐野くんと目が合う。
｢なぁ先生｣
ゆっくりと近づいてくる佐野くん。隣にあった椅子に腰をかけると私の手を握って
｢ほんまに結婚したいです、先生｣
｢俺が18になるまで待っててほしいです。それまでに絶対先生を振り向かせます｣
真剣な瞳で、私を見つめる佐野くん。
こんなのに落ちないはずがなくて。
落ちてはいけないと、分かっていたのに。それなのに。
｢結婚、しよっか｣
そう答えると佐野くんは私を精一杯の力で抱きしめた。
｢やったぁ！！先生だいすきっす！！！｣
｢ちょ痛いよ〜佐野くん笑｣
急に真剣な顔をした佐野くん。
そのまま私の頬を手で包み込んで
｢先生、｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 308人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：晴 | 作成日時：2022年11月29日 19時
