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『なん、……なんで、私なんかと、急に水族館……？私、コネシマくんと全然、接点ないのに……』
私なんかより可愛い女子は溢れているしこのお誘いを受けて私より何倍も喜ぶ女子だって溢れ返っているはずだ、確実にこの立ち位置は私ではないし私には務まらない。
息を整えて勇気を振り絞って尋ねると、コネシマくんはあー…と言葉を探す様に声を漏らしやがて座り込んだままの私と目線を合わせる様にしゃがみ込んだ。
「接点は確かにないなあ、喋ったのも今この時が初めてや。でも俺は、お前のことずっと見とったよ」
は、と声にならず息だけが短く吐き出される。
真っ直ぐと私を見つめる空色の瞳があまりに澄み渡っていて、心臓を鷲掴まれたみたいに胸が痛くてなんだか苦しい。
「気付いたら目で追っとって、毎日毎日俺の事を知らんお前が遠くで笑ってんの見て情緒ぐちゃぐちゃにされて、イライラして、でも話し掛ける勇気すら今の今まで出て来んくて、柄にも無くヘタレな自分にまたイライラして…でも思てん、お前が俺を知らん様に、俺もお前のことなんも知らんなって。まずは知る所からかって思たら不思議とすんなり話し掛けるかって思えてん」
「お前のぜんぶが知りたい。だから教えてや、俺も俺のぜんぶを教えたるから」
嗚呼、拝啓お母様。
私は今夢を見ているのでしょうか？
イケメンから熱の籠った告白を受けているだなんて、こんな、こんな事が現実のわけがない。
ない、はず、なのに。
暫くの沈黙のあとこくりと小さく頷くと、彼は嬉しそうに眩いくらいの満面の笑みを浮かべた。
(でももう足ドンで引き止めるのはやめてくださいと消え入りそうな声でお願いするとすまん！と廊下の端まで響き渡るくらいの爆笑と共に謝罪が返ってきた)
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