そばにいさせて～changmin～ (ページ26)

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終わらないと始まらないページ26

篠崎に呼び出されたのは、“DAY and NIGHT”の発売から2週間が経とうとする頃だった。

『失礼します。』

西野と一緒にチーフルームに入る。

『おー。売り上げ、すごい勢いだな。』

2人が入るなり、篠崎は笑顔でそう言った。

“DAY and NIGHT”は、発売前から注目の的だった。

それは間違いなく、あの広告のおかげだろう。

撮影をしてから、怒涛のスケジュールを組み、今までにない速さで世に出した。

東方神起が守り、癒してくれる。

その宣伝効果はすごかった。

ビルの上の巨大な看板から、街のドラッグストアに貼り出されるポスターまで。

Aはそれを写真に撮る女性を、毎日何回も見かけた。

きゃー！これこれ！
やっぱりユノかっこいー！
えーわたしはチャンミンがいい！

“朝も夜も。そばにいさせて。”
こんなこと言われたいー！

女性たちの会話を聞きながら、自分のキャッチコピーが受け入れられたことにも喜びを感じた。

『予約特典も効いたよな。』

西野がAを見ながら言う。

今回、発売前の予約客には、ユノとチャンミンの広告写真のミニポスターをプレゼントするという特典をつけた。

その効果も抜群で、予約分だけで初回生産分が無くなってしまうほどだった。

『あまりにも写真の出来が良かったから…その案も、東方神起のお2人のおかげです。』

『佐藤も写ってるから、3人のおかげだろ？』

からかう篠崎に、もーやめてください！と抗議する。

『今日の会議で、クリスマス限定デザインを作ることが決まったんだ。それでまた上が、何か特典はないのかってさ。』

まぁこれから何かを撮影するとなるとなー…彼らはツアー中ですしね…日程の調整が難しいですよね…と、3人で頭を悩ませる。

『とりあえず、三橋と連絡とってみてくれないか？』

『わかりました。予定を確認してみます。』

篠崎の部屋を後にし、自分たちのデスクへ戻る。

西野は何か、考え事をしているようだ。

『どうかした？』

気にするAに、

『いや、まだまだこの企画は終わらないんだなーと思ってさ。』

『早く終わらせたい？』

珍しい西野の発言に聞き返すと、

『終わらせたいってゆーか…終わらないと始まらないってゆーか…』

難しい答えに、なぁにそれ。クイズ？と笑うと、

『まぁ気にすんな！よし、またやってやりますか！』

と、いつもの明るさで笑った。