そばにいさせて～changmin～ (ページ14)

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赤い耳ページ14

『Aさん、お願いします！』

スタッフの声に振り向くと、チャンミンがスタジオの入り口からこちらへ歩いてきている。

『よろしくおねがいしまーす。』

ユノが明るい太陽を浴びているようだとすれば、チャンミンを照らしているのは柔らかな月の光だろうか。

決して自分から目立とうとはしないが、絶対に目立ってしまう存在。

そんな、静かだがとても強い存在感がチャンミンにはある。

ユノの時とはまた違う雰囲気が、スタジオ全体を包み込んでいた。

チャンミンの隣には、三橋の姿もあった。

『あ、Aさん！遅れてすみません！』

Aに気づくと、三橋は駆け寄ってくる。

『いえ！急で大変でしたね。』

いつものことですと苦笑いする三橋の横に、チャンミンが追いつく。

『Aさん、よろしくおねがいします。』

『あ、こちらこそ！よろしくお願いします。』

さっきの光景を思い出しそうな自分に、

仕事…仕事…これは仕事…

そう言い聞かせながら笑顔を作る。

『チャンミン！久しぶり！三橋さん、お久しぶりです。』

『わたるヒョン、おひさしぶりです。』

『西野さん、お久しぶりです。チャンミンもよろしくお願いします。』

西野の登場で、Aは少しホッとした。

『チャンミンどうした？耳、赤いぞ？』

『えっ？』

西野の言葉に、まさか何かあったのかと、Aがチャンミンを勢いよく見る。

『な、なんでもありませんよ！さむいからじゃないですかね！？』

表情では平静を装っても、照れると赤くなってしまう耳はどうしようもない。

Aさん、お願いだからこっちを見ないで！

心配そうに見上げるAに、また心拍数が上がりそうだ。

その慌てようを、なんなんだよ～！とからかいながら、西野はチャンミンにセットの説明を始める。

Aは気になりながらも三橋と、先ほど撮影したユノの写真を確認する。

例えどんなにいい出来映えでも、事務所の、すなわち三橋の許可が下りなければ、すべて撮り直しだ。

『……………』

無言で写真のデータを確認していく三橋の隣で、Aは緊張しながら反応を待つ。

『思った通りだ。』

パソコンを見ながらそう言った三橋は、満足そうにAへ視線を移す。

『とてもいいですね。これなら、どれを使っても大丈夫です。』

『はぁー。良かった。ありがとうございます！』

安心すると同時に、チャンミンの撮影もうできるぞと、西野が伝えにきた。