粉雪 ページ41
『雪だ！綺麗…！』
私たちを包み込むように舞う粉雪は、氷の張った地面に少しずつ積もってゆく。
ｴｰｽ「初雪だな」
そう言った彼の口から、
再び白い息が空に上がり、音が紡がれる。
ｴｰｽ「…オレ、海賊王の子なんだ」
『え…？』
想像してもみなかったその言葉に、思考が止まる。
ｴｰｽ「……そうだよな。
変なこと言って悪かった」
そう呟き、エースは背を向け歩き始めてしまった。
"この事実こそ、エースが完全に心を開けなかった原因である"
『待って！！』
そう頭で理解した時には、私はエースの背中に抱きついていた。
『…エースが誰の子だろうと私は何も思わない。
ただ、かの有名な海賊王だとは思わなかっただけ。
それにね、ワノ国をまとめた偉い大名様は海賊王の船に乗ってたの。ずっと会ってみたいって思ってた。
エースのお父様でもあるなら、なおさら会ってみたかったわ』
エースの背中から彼の少し早い鼓動が伝う。
ｴｰｽ「……じゃあ…オレに生きてて欲しいと思うのか？」
彼が振り絞るように声を出して続けた言葉に、私は一時息をするのを忘れた。
年端のいかない男の子がこんなに恐ろしい言葉を放つとは、一体どんな経験をしてきたのだろうか。
『何…、言ってるの…？』
エースの背中から離れ、彼の正面に立った。
気づけば、雪で冷えた頬を温かい涙が伝っていた。
ｴｰｽ「…え？どうしたんだよ…A？
なんでお前が泣いて…」
『そんなこと言わないでよ！
生きてて欲しいに決まってるじゃん！
自分の大事な人にそんなこと聞かされた側の気持ちにもなってよ…』
ｴｰｽ「…………すまねェ」
私と過ごした半年は、
エースの心の奥底に蔓延る闇を照らすことが出来ていなかったという事実が、只々心に突き刺さった。
エースは過去を手繰るようにして、全て話してくれた。
海賊王の子はこの世に存在してはならないと世界中の人が思っていることを知ってしまった、と。
『その人たちが見てるのはエースじゃないよ。海賊王の子供に対して言ってるの。
"エース"という人間を真に見つめてくれる人は、世界に沢山いるんだよ』
長い沈黙が続く。
雪はどんどん降り積もっていき、いつの間にか、辺り一面銀世界へ変わっていた。
ｴｰｽ「……そう…か…。
…ありがとな」
エースの口角の上がった口から、一つ白い空気が漏れた。
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まゆこんぶ(プロフ) - 竜胆さん» もちろんです！また作品内にシャンクス出てくるので、その時に是非！！ (2020年10月19日 8時) (
レス) id: c3d6b9a091 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - 全然大丈夫です！文章力あって羨ましい…泣 シャンクスとの特訓…素振り1000回はキツイですよね苦笑 リクまたしてもいいんですか？(シャンクスに絡んだリクになりそう…ww) (2020年10月18日 10時) (レス) id: b36745faea (このIDを非表示/違反報告)
まゆこんぶ(プロフ) - 竜胆さん» 途中少し崩壊があったので大丈夫かな…って思ってたので、良かったです！！(´∀｀;)ﾎｯ またリクエストお待ちしております！ (2020年10月17日 22時) (レス) id: c3d6b9a091 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - まゆこんぶさん» 要望聞いてくれてありがとうございます（＾ω＾）シャンクスのオバハンキャラは読んでて吹きましたww 面白かったです！無理聞いてくれてありがとうございます！ (2020年10月17日 12時) (レス) id: b36745faea (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - まゆこんぶさん» 無理言ってごめんなさい！ありがとうございます(^_^) (2020年10月13日 22時) (レス) id: b36745faea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆこんぶ・さえこんぶ | 作成日時：2020年9月25日 0時
