備忘録 (ページ43)

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21-1 SS×2 ページ43

SSよりもSSな短いものを2つ。

麻痺があるMさん×彼氏のSさん

翔「潤…！」

潤「翔くんごめんね…クラッチだけで支えられなくて。歩きすぎたかも」

翔「そういう時はすぐタクシー乗れって言ってるだろ？」

潤「ごめんなさい…」

病院から連絡をもらって車を飛ばせば
手や頬にガーゼをつけた潤が座っていた

助けてくれたという男性も

翔「本当にありがとうございました…」

「いえいえ…ベンチで絵描いてたら突然前に倒れるから…びっくりしたけど軽い怪我で良かった」

潤「すいません…」

「あぁそんな……じゃあ…お迎え来られたので僕はここで…」

翔「本当にありがとうございました」

脳性麻痺の影響で右手にクラッチを持ってないとうまく歩けない潤
あんまり長時間歩くとバランスが取れなくなるから心配してたのに

翔「マジで心臓止まる…」

潤「ごめんね…今度はちゃんとタクシー使う」

翔「本当か？約束してね？」

潤「ん……財布と相談しながら？」

翔「ばか……これ以上怪我したらどうすんの…」

もっと大事にしてよ。自分の体。

病院の廊下ということも忘れて抱きしめた。

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記憶障害のMさん×同居人Nさん×下の階に住む在宅のSさん

「あれ…しょーくん来たの？」
「ん。ボード見て？」

下の階に住んでる翔くんが合鍵を使って中に入ってきた
あれ？今日翔くんくる日だっけ

「ぁ……ほんとだ、ごめんね」
「謝るなって。そうだ、今日はニノが作ったカレーだって」
「あ…きのうも、カレーだった…？」
「せいかーい。覚えてるじゃん」
「野菜のカレー…」
「お、合ってるよ。」

調子いいみたいだね。
翔くんはそう言って頭を撫でててくれる。
昨日の晩御飯を覚えてるだけでも俺の調子は良いことになる。

実際覚えられてたことが本当に嬉しくて
カレーの鍋を温めてる翔くんの後ろに抱きつく。

「ふふ……ノート、書いた？」
「あ！書いてくる！」
「ん、行ってらっしゃい」

今日の午前中のことを事細かく書いておく。
これが俺の記憶を繋げてくれる大事なものだから。

「カレー出来たよー」
「かずにも言わないと！」
「そうだね。まずはカレー食ってからな？」
「うん！」