赤い声＊Taecyeon story ページ36
もう何ヵ月も待っていたこの日がきた。
遠足を翌日に控えた幼子みたいに昨晩はドキドキして眠れなくて。
だからベッドの中で貴方の歌を繰り返し聴いては、ステージ上で輝く貴方を想像しながら瞳を閉じ。
夜が明けるまでの時間すら愛しかった。
貴方に会える特別な日には。
決まって同じアイテムを私は身に纏う。
スカートは緑色。
柄はストライプ。
それから貴方色の靴を履く。
今日の貴方は私にどんな姿を見せてくれるの?
キラキラ輝く貴方に会えるのが嬉しくて。
電車の中で私は小さく靴の踵を何度も鳴らした。
無数のギャラクシーが６色に光り瞬く中に。
この瞳が貴方の姿を見つければ。
もう。
それだけで、涙が溢れた。
感情なんてそこには無くて。
ただ。
自然と涙が溢れた。
久しぶりに間近で見た貴方は。
他の誰よりもかっこよくて。
私の大好きな笑顔で、ふざけて仲間達とじゃれあう姿が可愛らしくて。
それでいてセクシーだった。
だけど。
だけどね。
貴方を見れば見るほど。
私の胸は苦しくなった。
こんなに貴方を間近で見れることはもう二度と無いかもしれない。
そんな席に私は居るのに。
貴方が手を伸ばしてくれたら。
間違いなく貴方に触れられる。
たったそれしか離れていない距離に居るのに。
貴方と私の距離は。
やっぱり近づくことは無いんだって。
勘違いするなって。
目の前に広がる貴方の優しい背中が。
私にそれを痛いくらいに思い知らせてくる。
残酷なまでに辛い現実を。
貴方はその後ろ姿で私に強く強く諭す。
だったら私はどうしたらいい?
決して答えてくれない貴方に。
私はひたすら緑色に瞬くギャラクシーを最後まで振り続けるだけだった。
帰り道。
吸い寄せられるようにして入った店の隅で見つけたのは白い靴。
私は試し履きもしないでレジへと持っていき。
店員にすぐに履いて帰る旨を伝えた。
店員は慣れた手つきでタグを取り、白い靴をそっと私の足元に差し出した。
その時店員に問われたことに対し。
私は曖昧にただ笑った。
履き慣れない靴が。
聞き慣れない音で私を家へと帰す。
見慣れないこの色も。
いつかは見慣れて。
しっくりくるのかな。
辿り着いた玄関先で。
ゆっくりと靴を脱いだ。
私の足の小指と踵からは。
赤い涙が流れて滲んでいた。
『痛いよ…』
『ねぇ、テギョン…』
『足が痛いよ…』
貴方に届かない声が虚しく響いた。
Tonight＊Taecyeon story→←冬に舞う恋2＊Wooyoung story＊
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
