明けない夜に＊Taecyeon story ページ18
＊テギョンside＊
疲れて重たい体で家路を急ぎながら見上げた宙は、月さえも姿を隠したままで。
瞬く星も見えないこんな夜は。
A、お前に逢いたくて仕方がないよ。
ジーンズのポケットから携帯を取り出す。
そりゃ、そうだ。
もうこんな時間だもんな。
俺は何のメッセージも示さない携帯をポケットへと無理矢理押し込んだ。
暗い玄関で靴を脱ぎ、いつものように電気も付けずに馴れた順路で向かった浴室でシャワーを済ます。
そして冷蔵庫から取り出した水で渇ききった喉を潤せば、漸く一息ついて気付くこの香り。
真っ暗なリビングを鼻だけを頼りに進んでいった先にあったのは、さらさらと音を鳴らす笹の葉。
そっか。
A、お前今日来てたんだな。
テーブルランプを付けた俺はAが準備した七夕飾りに一つずつ触れていく。
折り紙で作られた輪っかつづりにあみ飾り、織姫と彦星が綺麗に飾られ、それから沢山の短冊が下げられていた。
短冊に書かれた願い事を下から順に詠んでいく。
《テギョンが風邪をひきませんように》
わかった。気を付けるな。
《テギョンがいつも健康でありますように》
ははっ。俺はじぃさんかよ。
《テギョンのドラマ撮影が無事に進みますように》
うん。頑張るよ。
《テギョンが素敵な楽曲を沢山つくれますように》
うんうん。それも頑張るよ。
《テギョンが日々、笑顔でいられますように》
…A。
《テギョンが眠る夜がいつも安らかでありますように》
……。
《テギョンを迎える朝がいつも光り輝いていますように》
なぁ。A。
これがお前の願い事なのかよ？
だってこれ、全部俺の為の願い事だろ。
お前自身の願い事は無いのかよ？
遂に一番上の葉に下げられていた短冊に辿り着いた俺の指は静かにその文字をなぞる。
《テギョンがいついつまでも、テギョンであり続けますように》
あぁ。A。
俺はやっぱりお前が好きだよ。
だけど。
俺が俺であり続けるために必要なのが何だかわかるか?
それはA、お前の存在そのものだよ。
急速な程、胸裡にAへの感情が溢れ出し堪らなくなった俺は、Aの香りを求め寝室に向かった。
そこには俺の布団にくるまったまま小さく眠るAがいた。
俺はAをこの胸へと包み込んだ。
『俺こそが、いつまでもAの側にいられますように』
闇に隠れていた小さな月はいつのまにか宙に姿を現し、光り輝く星を見つめていた。
夜は。
まだ明けない。
真夏の香り1＊Wooyoung story→←小さな君の小さな我が儘3＊Taecyeon story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
