小さな君の小さな我が儘3＊Taecyeon story ページ17
＊テギョンside＊
Aの部屋を出て、乗り込んだエレベーターの中。
閉じた扉に映った自分の顔を見て、さっきスーパーで見た自分の顔との違いに驚けば。
渇いた俺の笑いが閉め切った小さな箱の中で揺れた。
エレベーターが一階に着いても、俺は降りずに乗り込んできた他の住人と一緒にまた、上へと目指す。
最後にエレベーターを降りた俺は再びAの部屋の前に立ち、静かに鍵を開けた。
そこには玄関の側で蹲ったままのAが居た。
はぁ。
熱があるって言ってる側から、そんなんでどうすんだよ!?
俺が戻ってこなかったら、戻ってくるまでずっとそうしてるつもりだったのかよ!?
あぁ。もう。
馬鹿だな、俺も。Aも。
お互い意地張ってさ。
玄関の中に入り靴を脱いだ俺は、膝を折ってAの頭に手を置いた。
その手で優しく頭をぽんぽんとすれば、顔を上げたAの涙を目一杯にまで溜めた瞳が俺を捉えて。
そんな君が何かを一生懸命堪えてるのが解ったから、俺は優しくその先を促してやる。
『ん?』
『…テギョン。帰っちゃやだょ』
そう言って俺の袖口を掴んだAをしっかりと抱き上げて、俺は腕の中の君に答える。
『ん。帰んないよ』
俺の首に両腕を回して、Aの熱い額が俺の首筋に埋められて。
くすぐるように揺れる君の髪が柔らかく俺にまとわりつく。
あぁ。
やっぱり俺は君に甘いよな。
Aをベッドに優しく下ろしてやれば今度は素直な君が姿を現して。
『ありがとう』
熱で赤い頬をしたまま可愛く言うもんだから、俺は堪らずにその唇をチュッと盗み。
そして俺もAの横に腰を下ろし、細い指に自分の指を優しく絡める。
『なぁ、A。お前の我が儘くらい聞ける甲斐性ぐらい、俺は持ち合わせてるつもりだよ。だから、我慢も遠慮も要らないんだよ。俺にはいつだって正直でいてくれないか。でないと、俺心配で堪んないよ』
絡めていた指をゆっくり手繰り寄せるようにして、俺はAを胸に閉じ込める。
するとAは小さな声で泣き出した。
『テギョン。ごめんね』
『ん。泣かなくて良いだろ?』
俺は君の背中を擦りながら最大限に甘やかす。
『A、今俺にしてほしいことあるか?』
額に冷却シートを貼ったAが寝室に着替えに行っている間に俺はキッチンに立ち。
ショリショリと赤い皮を剥き、甘酸っぱい香りの君にそっくりなウサギを用意した。
小さな君の小さな我が儘は、充分過ぎる程に甘かった。
明けない夜に＊Taecyeon story→←小さな君の小さな我が儘2＊Taecyeon story
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エイジ(プロフ) - 月花さん» お返事遅くなりましてすみません。オーラスから未だ感情が上手く整理出来ずにいます。ひたすらテギョン一色で書き綴った一話でしたが、しがないオクッパの心の内をさらけ出してしまいました。私が次にテギョンに会えるのはドーム。この目にしかと彼を焼き付けてきます。 (2016年7月17日 1時) (
レス) id: d1cda00c22 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - 久しぶりにエイジさんのお話が読めて嬉しいのと、このお話はテクペンのエイジさんだからこそのお話だなぁと思いました。その距離も関係性も分かってはいるけど、時折辛くなりますよね。店員さんが何を言ったのかが、気になります。切ないけど素敵なお話有難うございます (2016年6月2日 16時) (レス) id: 2db226cba0 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - じゅんたさん» コメントありがとうございます(*^^*)余りにおひさしぶりの更新ですみません。まだまだ、書きたい気持ちはたくさんですので、のんびりとお付き合いいただけると嬉しいです!! (2015年12月2日 18時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
じゅんた(プロフ) - 久しぶりのエイジWorld堪能しました。ありがとうございます(人´∀｀) (2015年12月2日 6時) (レス) id: 017662d541 (このIDを非表示/違反報告)
エイジ(プロフ) - りえぞうさん» コメントありがとうございます。嬉しいです、オクッパ同士ですね♪これからも、テギョン溺愛で行きますので、また遊びに来てくださいね!!私も、初めまして♪こんばんは♪(*^^*) (2015年8月16日 23時) (レス) id: 9c27d96a79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エイジ | 作成日時：2015年6月7日 22時
