冴えない女は蜜の味 4《JM》

185　三人なら仲良く ページ35

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A「二人の…弟…」

後ろから、ヌナが呟く。振り向く事は出来ないけど、これ以上泣きたくは、ない。





ヌナの幸せを見守る…そんな事、出来るのかな。

でも離れるなんて考えられないんだから
もう選択肢は、ひとつだけだった。



俺、出来るよ、見守れるよ。



JK「ヌナ…ジミンさんが、好きなんでしょ…」




雨はあがってた。乱れて倒れるヌナが、俺の後ろでゆっくり起きあがった音がする。



A「ジョングク…」


俺は一生懸命、涙をふいて、優しくて可愛い弟として振り返る。



JK「もー早く言ってよ？バレバレだよ？ヌナってほんと、わかりやすいから」

A「無理して笑わな…」
JK「無理？してないよ？信じて。俺、ヌナの味方だから。ジミンさんとの事、応援するよ。」










ヌナ、離さない。絶対、離れない。

ずっとずっと、俺は弟。恋愛なんかより不変の愛だよね？

死ぬまでヌナの特別は、俺だけだよ。






JK「大好きなのに一緒になれないのは、辛いよね」
A「……一緒になるなんて考え、無かったから…」

JK「なんで？俺、邪魔なんてしないよ？だって俺は…弟でしょ？そうだよね、ヌナ。弟だよね、ずっとずっと。」



確かめる。
この先も変わらずこの位置に、俺は居たい。


それがヌナという居場所にいる、代償だよ？

俺達が永遠に想い合う方法は、一生、ヌナをヌナだと想う事。それしか、ない。




それは俺の、俺だけの、俺が選んだ、特権。





JK「ちゃんと…伝えなきゃ。ヌナの大好きって気持ちをだよ！ふふ」
A「伝えて、私がジミンとどうなっても…」

JK「上手くいくといいね？でも……俺を独りには、しないでね。」



せめてこんなワガママは許してよヌナ。








俺が誰かと出逢って恋をしたら、ヌナがどんな風に笑ってくれるのか想像しながら、笑顔をつくる。



こんな感じ？



JK「きっと向こうもヌナが好きだと思うな〜。」
A「どうかな…ちゃんと言われた事ないし…」



ヌナなら、素敵な笑顔で俺以上に喜んでくれるよね。きっと俺の幸せを、誰よりも願ってくれる。



だから今、ヌナが言いそうな言葉を使って

その背中を、押す。

こんな感じ？


JK「ねぇ今度、三人でご飯食べに行きたい！」









いじわるな心が、ヌナの背中を押す


JK「俺達三人なら、仲良く出来るよね。ずっとここで。韓国で。」





傷ついてよヌナ。俺みたいに、傷ついて。




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