冴えない女は蜜の味 4《JM》

151　怒ってよ、(JK) ページ1

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親睦会の夜。ヒョンに全てを話し、謝罪した俺達にヒョンは笑顔を向けてくれる事はなかった。



親睦会から抜け出した二人を乗せて俺達の家に向かった静かな車内

助手席から香る、知らないシャンプーの匂い

いつも優しかったヒョンの冷たい瞳




部屋に飾られた棚の上のヌナとの写真は、もうふせる意味が無いから、そのままにして…。

ヒョンの目にはどう映っただろう。





ヒョンとテーブルに向かい合わせて、ヌナと二人並んで座った。
腕組みをして、俺の話に無言で耳を傾けるヒョン。




辛くなって言葉に詰まった時は、テーブルの下のヌナの右手を、握った。

ヌナの表情は見えないけど、
ヌナは両手で俺の手を包むように握り返してくれた。


ヌナの手が俺を強くした、俺とヌナの絆はその手で抱えきれない程に、重くて、強い。

そう思った。






YG「話は…そんだけ？」
JK「……はい。」

ヒョンは俺達の部屋を目だけでぐるりと見まわして、ここへ来て何度目かわからない、深いため息をついた。



YG「言葉にならねー。呆れる」
JK「馬鹿なことしてるって…思ってますか」



YG「めちゃくちゃな」



JK「もう俺を…」
YG「悲しいわ」
JK「……」
YG「何が悲しいか、わかるか？」





JK「ほんとのヌナが居なくなって…ヌナがなりすまして騙して…」


YG「お前が……。俺に頼らなかった事がだよ」



真っ直ぐな瞳が、揺れる



YG「怖かったよな。一人で…いや二人で、か。よく生きてきたな…。辛かっただろ…」




俺の…ずっと力が入っていた体を、ユンギヒョンの言葉が、溶かす。


YG「力になって…やりたかった。」



数年間のずっと心に詰まって絡まり続けた糸がほどけて…大粒の涙に変わる…



JK「怒ってよ…ヒョン」
YG「怒ってるよ。」


JK「叱ってよ、隠して、嘘ついて、騙して…」


YG「ジョングガァ、」



ヒョンは、いつも、俺の味方だった。


YG「こいつが…ヌナがいてくれて、良かったな」


こんなにも、広い心が一層、涙を溢れさせた。







YG「でもな……。Aになりすまして、ジミンと恋愛されんのは…しんどいわ」
A「…ごめんなさい」




気まずそうにヌナが俯く。



YG「だけど、お前は…Aじゃねーもんな。お前にだって、好きな奴くらい出来る訳で…」





ヌナは俯いて、何度も謝った。

泣いている俺の隣で。





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