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閉会 ページ8









「只今より、結果発表を行います。全校生徒、並びに応援団員は、速やかにクラスの席へ戻ってください。」



すべての競技が終了して団員達が席に戻っていく。

団長五人のみが各団の前に出て、生徒会長が表彰台に立った。



「団旗の部、黄団!」


黄団の応援歌と共に団長と団員が声を上げる。


小走りに走ってきた黄団の団長は、表彰台に上がり賞状を受け取った。


「僕達が一番力を入れたのは団旗で、その努力を皆さんに認めて貰えてとても嬉しいです!!ありがとうございます!」



頭を下げると賞状を掲げながら壇上を降りた。



体育祭での一番の花形はパフォーマンスの部で、黒団はパフォーマンス狙い。

団長としての責任を背中に感じながらわたしは前を向く。

賞は五つで、団旗、応援、声援、競技、パフォーマンスの順で発表される。


競技の部を発表されても黒団の名前が上がらなかった時は、黒団はパフォーマンスの部での優勝がきまるわけで、背中に汗が流れた。




「応援の部、緑団!」



黒団の名前が呼ばれなかったことに胸をなでおろしながら緑団に拍手を送る。


祐介の団の演技も素晴らしく、南本くんの青団も良かったので次の発表への緊張が高まる。




「声援の部、赤団!」



隣に並んでいた祐介は一瞬悔しそうな顔を見せると、わたしの背中を叩いて、後ろにいる赤団の団員に投げちゅーした。


そのちゅーに赤団の男団員はうおおお!と雄叫びを上げる。


異様な光景に、生徒と保護者の笑い声が響く中、祐介は賞状を受け取った。




「競技の部、」


首に冷や汗が伝う。

きっと正反対の端に立っている南本くんも同じ気持ちだろうと考えながら耳を傾けた。



「青団、そして同点で黒団!」



中学校生活三年目で初めて聞く引き分けのアナウンスに驚きつつ振り返って団員と生徒に手を振る。


表彰台の前に行くと南本くんが既に並んでいた。

二人で1枚づつ賞状を受け取る。

後からたくさんの歓声が聞こえる中、南本くんが私に手を差し伸べた。


「ありがとう!」

「こちらこそ!」


ぐっと握って手を引き寄せ、肩を合わせた。


その光景に声援と拍手が一層大きくなる中、二人で表彰台を降りる。


競技の部が引き分けだった分、まだ安心はできない。

思わず指を組んで、目を瞑る。



「パフォーマンスの部、」








「黒団!」



放送が響いた瞬間、後ろにいた生徒と保護者席が湧くのを感じる。




嬉しさに手を震わせながら、感謝の言葉を伝えるためにマイクをとった。






ポカリとアクエリ→←ハンデ



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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんありがと!!!!!!! (2019年3月30日 13時) (レス) id: 7786978901 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - やっぱりやっぱり大好き( ; ; )( ; ; ) (2019年3月28日 23時) (レス) id: fd599d71d8 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - オクラさん» オクラさん!コメントありがとうございます!(○´ー`○)頑張ります! (2018年8月19日 11時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
オクラ - とても面白いです(><)更新頑張ってください!!! (2018年8月19日 11時) (レス) id: 7ba911c0c9 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ∞くらら∞さん» ∞くらら∞さん!コメントありがとうございます!頑張ります!!! (2018年8月2日 1時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じょび | 作成日時:2018年7月9日 15時

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