ハンデ ページ7
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「みんな最高やったで!ありがとう!!」
「こちらこそありがとうございます!」
午後の部のパフォーマンスが終わって、団長席へ戻る。
自分で言うのもアレだけど黒団の演技はめちゃくちゃ良くて、席に戻る団員達に声をかけた。
座って水を飲むと次のプログラムは借り物競争で、おくら出るんやったなって応援団の最前に立った。
ピストルがなって抜き出たのはおくらと南本くん。
50メートル12秒の私とは比べ物にならないくらい速くて、瞬きもできなかった。
表彰台にひと足もふた足も速く着いた二人は借り物が書かれた紙を取る。
開いた南本くんは焦った様子で頭をかいた。
おくらは紙を開けると一瞬の間もなく辺りを見回して走り出す。
「A!!!」
「え、私?!!?!!?」
「早く!!」
団席の前まで来たおくらは私の手をギュッと掴んで走り出した。
足の遅い私はおくらについていけなくて、ほとんど引っ張られる形になる。
「ほんま走んの遅いわ爆笑」
おくらは立ち止まると、肩で息をする私の背中に手を回して足を持ち上げた。
「ちょっと、!」
突然の浮遊感にバランスを崩しておくらの首に手を回す。
「そのまましっかり捕まっときや」
おくらは私の手に紙を握らせると、わたしを横抱きにしたまま、また全速力で走り出した。
校庭に女の子の黄色い声援と男子の野太い野次が飛ぶ。
保護者席も口笛が飛び交って、異様なその光景に笑いながらおくらにしがみついた。
おくらはスピードを緩めることなくゴールテープを切って1位になる。
「2人とも!撮ったるわ!!」
「あ!おくらのお母さん!!」
「はいチーズ!」
カメラを向けられ、おくらに横抱きにされたまま紙を広げて満面の笑みを向けた。
広げた紙には太い字で''団長''と書かれていて、写真を撮って貰ったあとに審査員に渡す。
私を下ろしたおくらは肩で息をしながら膝に手をついた。
「ほんま走んの遅いなあ笑、俺のハンデでかすぎるやろ笑」
「しゃあないやん!私が苦手なん走んのと泳ぐんだけやねんで!?笑笑」
審査員は、わたしのハチマキの長さを一応確認してマイクを持つ。
「一位、黒団!!」
「よっしゃあ!」
おくらとハイタッチすると、二人でグラウンドを一周しながら関係ない団の生徒にもハイタッチをして回る。
二位になった南本くんのお題は''好きな人''で、杉本さんをおんぶしてゴールした2人に本日二回目の黄色い声援がグラウンドに響いた。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんありがと!!!!!!! (2019年3月30日 13時) (レス) id: 7786978901 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - やっぱりやっぱり大好き( ; ; )( ; ; ) (2019年3月28日 23時) (レス) id: fd599d71d8 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - オクラさん» オクラさん!コメントありがとうございます!(○´ー`○)頑張ります! (2018年8月19日 11時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
オクラ - とても面白いです(><)更新頑張ってください!!! (2018年8月19日 11時) (レス) id: 7ba911c0c9 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ∞くらら∞さん» ∞くらら∞さん!コメントありがとうございます!頑張ります!!! (2018年8月2日 1時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年7月9日 15時