6年 ページ39
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「ああ゛〜」
「お疲れ様です笑」
「お疲れ様です!先に失礼します!」
チョークの粉がスーツにかからないように常に羽織っている白衣を脱いで綺麗に畳む。
持ち帰る資料と一緒にそれを胸に抱えて職員室を出た。
あーが東京に行って7年。
おくらと会わなくなって10年がたった。
25歳になった私は、教師として3年目で、理数科のクラスの担任を持っている。
国語に挫折しそうになりながらあーに励ましてもらって無事に受かった教員試験も昔のことでしみじみとしながら愛車の助手席に荷物を乗せた。
「Aちゃん〜!!!」
「もー!A先生やろ!どうしたん?」
「もう帰んの?」
「うん!もう帰るよ!」
「「え〜!」」
「なにーよ笑」
「もうちょっとAちゃんとおりたかっただけやん!明日卒業式やのにさあ!」
「はいはい、寄り道したあかんよ〜!」
「Aちゃん結婚しよ〜!!」
「犯罪者にしたいん?笑」
「そういうことやないやん!」
ムスッとする教え子は3年目の付き合い。
一クラスしかない理数科は3年間クラス替えがなくて、その間に打ち解けた生徒達とも明日の卒業式でお別れだ。
窓を開けて手を振りながら正門を抜ける。
大通りでアクセルを踏み込むと、毎日健康と体力、体型キープのために通っているジムを横目に通り過ぎた。
今日はご褒美デーなのだ。
三年前から住んでいるマンションのオートロックを開けてエレベーターに乗る。
一人暮らしの玄関を開けると寄ってきたとうふを思う存分撫で回して猫缶を開けた。
努力と引き換えに少し落ちた視力を補強する私の相棒の丸メガネも、家に着くとなんの意味もない。
白衣とメガネを資料を入れたトレーに乗せて下着とタンクトップとスウェットを持って風呂場に閉じこもった。
体を洗ってお湯に浸かる。
お風呂大好きな私のご褒美デーはほとんどお風呂が時間を占める。
風呂から上がって時計を見ると2時間たっていた。
そのまま本棚の横に立て掛けてあるアコギを持ってソファーに座り込む。
本棚に並ぶのは「高瀬あいら」と大きく書かれた雑誌、お父さんのCDそして、関ジャニ∞の「浪花いろは節」。
私が初めて自分で買ったCDは「浪花いろは節」で、他のCDは渋谷すばるファンのお母さんが家にコレクションしている。
おくらはあの後関ジャニ∞としてデビューして、着々と人気を集める素晴らしいグループの一員になった。
私は懐かしい気分に浸りながら右のピアスホールを押し潰した。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんありがと!!!!!!! (2019年3月30日 13時) (レス) id: 7786978901 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - やっぱりやっぱり大好き( ; ; )( ; ; ) (2019年3月28日 23時) (レス) id: fd599d71d8 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - オクラさん» オクラさん!コメントありがとうございます!(○´ー`○)頑張ります! (2018年8月19日 11時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
オクラ - とても面白いです(><)更新頑張ってください!!! (2018年8月19日 11時) (レス) id: 7ba911c0c9 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ∞くらら∞さん» ∞くらら∞さん!コメントありがとうございます!頑張ります!!! (2018年8月2日 1時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年7月9日 15時