大倉くんと親友【緑】

三振 ページ35

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｢A、｣

｢ん？｣




久しぶりにあった祐介。


部活で鍛えた腕は逞しくなっていて、伸びた長い足を動かしながら私の前を歩く。



いつまで経っても変わらない距離。


良くも悪くもお互い平行線だ。






｢俺らってさ｣

｢うん｣

｢変わらんやん？｣

｢そやなあ｣

｢これからもさ、変わらんと思うねん｣





真っ直ぐな目は私を写している。


言っている意味が痛いほどわかる。


きっと私達はこれからも平行線だ。


交わることも重なることもない、たった二本の平行線だ。





｢また、戻ろうや｣

｢、うん。｣

｢でも勘違いなんかやなかったで？｣

｢うん。私も。｣

｢俺、めっちゃAのこと好きやった。｣

｢私もめっちゃ祐介のこと好きやったよ！｣

｢今までありがとう｣

｢こちらこそ｣

｢これからもよろしくな｣

｢こちらこそ！｣





お互いどこかで分かっていた。


近すぎた距離と共に、心の在り方が変わっていって、相手を大切にする理由がどんどん違っていくこと。



今日の大きな決断が変えたのは二人の関係に付けられた名前だけ。


お互いを親友として大切にする気持ちはずっと変わらない。




きっと私達は、良い意味でこのまま大人になっていく。







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