夏はスイカと花火とナンパ ページ29
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照りつける日差し。
どんどん濃くなる海の匂いを胸いっぱいに吸い込む。
坂を超えると広がった水平線は永遠に左右に続いていて、やっぱり海は苦手だと実感した。
テンションが下がった私と正反対に、隣を歩く2人はハイテンションで、ビーチサンダルを鳴らしながら海の家へ走った。
更衣室で着替えてドアを開ける。
着替えた二人は既に浮き輪に空気を入れ始めていて、二人の元に駆け寄ってレジャーシートを広げた。
海の家で借りたパラソルをさすと大きな影が出来て、急いで陰に隠れながら日焼け止めを塗る。
「かき氷買って来よか?」
「やった〜!私メロン!」
「私いちご!」
浮き輪を2人に任せて売店に走った。
「いちごとメロンとブルーハワイ下さい!」
「よっしゃ!いちごとメロンとブルーハワイな!ほんまは900円やけど600円にまけといたるわ!」
「うわ!ありがとう!!!また来るわ!」
「おおきに!」
陽気なおじちゃんにまけてもらったかき氷を持って、零さないようにゆっくり歩く。
遠くに二人が見えた時。
「あれ?姉ちゃん1人?」
「俺らと遊ばん?」
かき氷3つ持ってんのに1人な訳ないやろ、目どこに付いてんねん、それとも私が1人で食べると思ってるんかこいつら。
そう思いながらも苦笑いでやんわり断る。
2人組は怯まずに私の前に立ちはだかった。
手が空いてなくて振り払えないのをいいことにその腕が肩に回る。
反対側に回ったもう1人の手が私の髪を耳にかけてウエストに回った。
「可愛いピアスしてるやん」
その言葉、この状況じゃなかったら最高の褒め言葉やのに、。
ウエストに回った手が徐々に上に上がって、ビキニの縁にかかる。
それを皮切りにかき氷をぶちまけてやろうとした瞬間。
「ナンパとかダサいで?離したりいや。」
聞こえたのは男にしてはハイトーンな声。
顔を上げると、青い水着を履いた男の子が立っていて、声に怯んだ男達の腕をすり抜けてその子の横に並んだ。
「な、何やねんお前」
伸びた襟足に色素の薄い髪。
鍛えられた腹筋に主張するへそピ。
胸元に光るネックレス。
キラキラと光に当てられて輝くピアスの多さ。
海の男って感じやなって横目で見てると、目の前の二人が声を荒らげる。
「そいつは俺らの連れや。」
「そうや、はよこっち渡せや。」
そうなん?って首を傾げるピアスくんに首を横に振ると、そうやんなあって言いながら前を向く。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんありがと!!!!!!! (2019年3月30日 13時) (レス) id: 7786978901 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - やっぱりやっぱり大好き( ; ; )( ; ; ) (2019年3月28日 23時) (レス) id: fd599d71d8 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - オクラさん» オクラさん!コメントありがとうございます!(○´ー`○)頑張ります! (2018年8月19日 11時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
オクラ - とても面白いです(><)更新頑張ってください!!! (2018年8月19日 11時) (レス) id: 7ba911c0c9 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ∞くらら∞さん» ∞くらら∞さん!コメントありがとうございます!頑張ります!!! (2018年8月2日 1時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年7月9日 15時