大倉くんと親友【緑】

新しい日常 ページ24

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どうやら私の親友は芸能関係の仕事を目指す魔法にかかっているみたい。



その日以来あいらは、もともと細いウエストを絞りながらバイト代でジムに通っている。


いつもの喫茶店でオレンジジュースを飲みながら、マスターにその話をするとマスターは相変わらず大号泣。



｢あいらちゃん、っ、頑張りやぁ！｣

｢マスターそんな泣かんでも笑｣

｢あんた、また泣いてんの笑｣



マスターを慌てて宥めるあーの声に裏から出てきたのはマスターの奥さん。



これは最近知った話だけど、マスターは結婚してたみたい。


大きく膨れたお腹を優しく擦りながら、お父さんは泣き虫やね〜って愛おしそうに話しかける奥さんは、マスターより何倍も男前やった。




｢今何ヶ月なんですか？｣

｢7ヶ月目！！あいらちゃん、体絞んのはええけど痩せすぎたあかんよ！女は愛嬌！｣

｢はーい！｣

｢あと3ヶ月で、俺もオトンに、、っ、｣




やっと止まったマスターの涙もまた溢れてきて、またみんなで涙を拭ったあげた。



｢Aもあのイケメン彼氏と結婚するんかなぁ〜｣

｢祐介と？｣

｢そうそう｣

｢ん〜、あんま想像できひんなぁ｣





祐介とは相変わらずデートしたり電話したりするけど、そんなに先のことは全く想像できない。


できるのは大人になっても馬鹿みたいに笑ったり遊んだりしてる姿で、私は首を傾げた。




そろそろバイトの時間なので、まだ号泣中の店長を置き去りにして奥さんに代金を払う。



また来てね！って微笑む奥さんは強いお母さんで、バイト先の常連さんの事を思い出した。


手を振りながら二人で外に出る。


雨が霙に変わった空に傘を指してマフラーを巻いた。



今日も金髪さんにカイロを渡すためにバイト先に向かう。








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