朝顔と雨 ページ46
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「みて!朝顔咲いてん!」
蒸し暑く、雨の日も多くなってきた梅雨入りの朝。
いつも通り迎えにいくと、Aは家の外の植木鉢に水をやっていて、そこには綺麗な青紫の朝顔が咲いていた。
最近迎えに来るとちゃんと起きていたのはこれのおかげかと納得する。
濃い青紫の花が太陽に向かって一生懸命にツルを伸ばしていて白い壁に映えた。
「めっちゃ綺麗やなあ」
「そうやろ!朝顔好きやねん〜」
ほらって後ろを向くAの髪の毛はポニーテールにされてて、そこには青紫の朝顔の髪飾り。
Aの白い肌にもそれが映えててめっちゃ似合ってるって言いながらくるりと跳ね返った毛先を触った。
昼休み、4人で一緒にパンを買いに行くと、Aの隣に並んだ海ちゃんもAと同じ髪型で、色違いの赤紫の朝顔の髪飾り。
祐介がAのポニーテールを触る。
「2人お揃いやん」
「そうやねん!可愛いやろ?」
「髪飾りはな」
「は?」
「海ちゃん可愛い♡」
「大倉くんありがと♡」
「祐介見て、普通ああいう風に褒めんねん」
「はいはい可愛い可愛い」
「いやちゃうやん」
この時期は教室にいるよりも、風通しの良い中庭にいる方が涼しくて、みんなで中庭のベンチに座った。
「ほんま美味そうに食べるなあ」
「よお言われるわ」
メロンパンを選んだAは相変わらず美味しそうにそれを頬張る。
「年々美味しそうに食べるよな」
「1口ちょーだい」
「あっ!おくら〜」
「うま」
そんなやり取りをしてるうちに空からぽつぽつと雨が降ってきて、急いで教室に避難する。
「うわあ〜朝顔心配や〜」
「Aちゃん家のやつもう咲いたん!?」
「うん!今日咲いてん!」
「私の家のやつあともうちょっとやねん、いま蕾!」
「今日帰り見に来る?」
「行きたい!」
じゃあまた放課後って手を振って帰っていった祐介と海ちゃんを見送りながら俺はAを見た。
「朝顔って夕方萎むんちゃうん?」
「あ、」
結局、一応四人で見に行ってみることにして靴箱で待ち合わせた。
今日から一学期末のテスト期間で、ゾロゾロと校門から出ていく生徒に混じって俺達も帰路につく。
「あ、暑いからチューパット買おや」
「じゃんけんな〜」
結局負けたAと祐介がピンクと緑のチューパットを買って膝で半分に折った。
「はい!」
「ありがとう笑」
俺はAからピンクのチューパットを受け取って口に含んだ。
夏の味がした。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時