三十字以内で答えなさい ページ42
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「じゃあこの時主人公はどう思ったと思う?」
「、、、主人公にしか分かりません!!!」
机に一生懸命向かい合っていたのに、頭を抱えて声を上げるとAはそのまま後に倒れた。
勉強教えて、なんて言われるから身構えたけど、Aの苦手科目は国語。
俺は国語はできるけどそれ以外はダメで、国語だけならと引き受けた。
「頑張れ!!自分やと思って考えてみて!」
「え、、まずこんな森入ったことない、、」
「想像しよ、想像。森に入りました!」
「うわ〜木がいっぱい〜」
「そしてそのまましゃがみます!その時の心境は!?!」
「あ、カエルおった」
「いや違うやろ爆笑」
「えぇ、カエルおったらしゃがむやん?」
普段はあんなに人の気持ちを汲み取るのが上手いのに、国語になるとなんで急に下手くそになるのか分からない。
「森の中にひとりぼっちやったらどう思う?」
「静かやな〜って」
「あとは?」
「自然を感じる」
「ひとりぼっちやで?」
「あ!!!寂しい!!!」
「そうそれ!!!」
「てかほかの教科大丈夫なん?」
「うん!数学得意やしー、社会と理科はしょうみ前日に見たら覚えるやん?」
「え、そんなすぐ覚えれるん?」
「うん!なんか人より覚えんの早いねんて〜!」
そう言いながらAは回答欄に寂しく感じたと書いた。
Aの停学明けの日がテストの開始日で、俺はAの分の五教科のノートをコピーして渡す。
「うわあ!ありがとう!!」
嬉しそうに受け取ったAは、理解出来てないはずのとうふに見せびらかしながらファイルに挟んだ。
「おはよう〜!」
テスト開始日にAを迎えにいくと、勉強していたのか珍しくちゃんと起きていた。
学校についてまず職員室に向かう。
停学中に書いた反省文を渡して、Aはまた先生に頭を下げた。
あの日、駆けつけた先生にすぐ謝ったこと、そして今日も早めに来て先生に頭を下げる態度に、先生は感心していて、態度も柔らかい。
「頭上げろ、今回の件はほとんど向こう側の責任やけど、Aは手出して怪我させてもうたから仕方なく停学にしただけや。」
2人ともテスト頑張れよ、とヒラヒラと手を振って席に戻っていった先生にAはもう一度頭を下げた。
「おはよ〜!」
「お!Aやん!停学明けたんか!」
「俺リアルに停学なる奴とか初めて見てんけど笑。ごくせんやん!!」
「Aちゃんおらんかったから退屈やったわ〜!」
みんながAを取り囲む。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時