優しさ ページ40
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「っ何してんねん!」
3人で中に乗り込むと、Aが女子に馬乗りになって殴りかかっていた。
「お母さんは関係ないやろ!!私の家族は関係ないやろっ!!!」
「Aもう止めとけ!」
「っ離せやっ!!!おくら!!!」
Aの後に回って羽交い締めにした俺はそのままAを抱き締めた。
俺の胸の中で離せと叫び続けるAにはさっきの冷静さの面影もない。
いつもは凛としている声も今は枯れていて、俺が意地でも離さないことを悟ると俺の肩にグリグリと頭を押し付けた。
殴られた女の子は頬が赤く腫れていて、取り巻きの女子達もAの変わりように顔を青くしてる。
「次、海とAにこんな目合わせてみろや。俺らが潰すぞ」
「散れやブス」
普段はニコニコしてる男子二人の地を這うような声に取り巻きの女子はへたりこむ。
祐介に至っては振りかざした右手を海ちゃんが両手でしっかり掴んでて、そのまま2人は先生を呼びに行った。
俺はAを抱き締めたまま近くの机に腰掛ける。
Aがこんなに怒っているのを見たのは初めてだった。
Aは相変わらず俺の肩にグリグリと頭を押し付けたままで、俺は柔らかくて甘い、女の子の匂いがする髪を優しく撫でた。
「大丈夫。俺あったことないけど、Aのお母さんが素敵な人って知ってるで。」
「、」
「転校してきた俺に優しく声かけてくれて、俺の夢も後押ししてくれる最高の友達やもん」
「それに、自分への悪口じゃなくて自分の家族の悪口で怒れるくらい優しい心の持ち主やん笑」
「な?だから大丈夫。」
「、うん。ありがとう」
いつもみたいに指でピアスホールをグリグリ押しつぶすと、Aがやっとこっちを向いてやめてって笑った。
「何があったんや!?」
出ていった2人に連れられて先生が入ってくる。
Aは俺から離れて立ち上がって、先生に頭を下げた。
「ついカッとなって殴ってしまいました。すいませんでした。」
「事情は生徒指導室で聞くから、とりあえず全員ついてこい!」
すぐに気持ちを切り替えて先生に頭を下げるAは強い。
そのまま日が暮れるまで事情を一人一人聞かれた。
女子はなんて事情を説明したのかわからないが、Aが前々から海ちゃんに対する嫌がらせの証拠写真を撮っていたのが分かって絞られたらしい。
殴られた子は少し口から出血していたらしく、小さくても流血沙汰だと言われ、Aは一週間停学処分となった。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時