ビンゴ ページ38
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「なあ、なんかさ」
嫌な予感するなって大倉くんが言う。
こんな所で以心伝心なんて嬉しいのか嬉しくないのか、苦笑いしか出てこない。
今まで嫌がらせはされても呼び出されることなんて無くて、私は大倉くんの手を引いて後をおった。
皆が入ったのは4階の空き教室。
自習用に開放されてるけどほとんど使われていないそこに入る後ろ姿を見届けて、死角になる壁の外側に2人で三角座りしてもたれた。
「ほんま調子乗り過ぎやわ、Aさん。」
「祐介くんとはよ別れてくれへん?邪魔」
「正直祐介くんも迷惑って言うてたし、ほんまなんなん?自分。」
「祐介くんと付き合ってるくせに大倉くんともベタベタするとかほんまキショいわ」
「どんだけ男好きなん?下ガバガバやん爆笑」
耳を塞ぎたくなるような暴言の数々に、息が詰まりそうになる。
隣の大倉くんは目を瞑って聞いているけどだんだんと眉間にシワがよっていて、拳に力が入ってるのがわかった。
その拳にそっと手のひらを乗せると、大倉くんが私の耳に口を近づける。
「海ちゃんもこんなことされてたん?」
「こんなに酷くないよ」
「酷いとか酷くないとかそういう問題じゃないやん、、」
大倉くんから機嫌が悪いというオーラが溢れていて、今日2回目の苦笑いをした。
パタパタと足音が聞こえる。
ふと左を見ると、そこにはスタメン会議が終わった祐介が教室に帰ろうとこちらに向かってきていた。
私たちの様子を見て首を傾げるが、1秒経つまでに聞こえてきた暴言に顔が歪む。
そのまま私を挟んで隣に座った。
祐介と近づきたいがために、Aを蹴落とそうとする醜い姿を見られるなんて、なんて滑稽なことだろう。
そう思う私は、多分だいぶ性格が悪い。
「私に祐介と別れてほしいん?」
「さっきからそう言うてるやん、日本語わからんの?笑」
「私が祐介と別れたらあんたらが祐介と付き合えると思ってんの?」
「は?」
「だーかーらー!私が祐介と別れたら祐介があんたらのこと好きになると思ってんのかって聞いてんの!!」
「、」
ほんま頭悪いわ〜ってジャムパンの最後の一口を頬張ったA。
いつもはあんなに優しいのに、今日は私より性格が悪いみたい。
横に座ってる祐介は口を抑えて肩を震わせて笑ってるし、反対隣の大倉くんも今にも吹き出しそう。
「は!?意味わからんねんけど!」
「った、」
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時