大倉くんと女の子【緑】

画伯 ページ31

∴







｢え、何その絵｣

｢うさぎやん｣

｢え？｣

｢うさぎ！｣



10分休みに落書きしてたら隣の席から乗り込んできたおくら。

私が描いたうさぎをみてなにこれって言うしうさぎって言うたら聞き返すし、今は横で笑い転げてる。


いや、分かってたけど！！分かってたけど！！


｢そんな笑わんでもいいやん！！｣

｢いや下手くそすぎやろ！！！！爆笑｣

｢そんなことないやん！可愛いやん！｣

｢耳っていうか触覚やん！宇宙人や！！笑笑｣




そのまま笑いながら開いたノートにおくらがうさぎを描き出して、悔しいけど私よりめっちゃうまい、、、、可愛い、、、、。




｢これがうさぎやろ！｣

｢これもうさぎやし！｣

｢やっば爆笑｣



次移動教室やから行くでって、このタイミングで次は美術。

楽しみやなぁってニヤニヤしながらこっち見てくるおくらを小突いた。






｢は？｣

｢え？｣

｢いや違うやん｣

｢なにがあ？｣

｢なんで風景画は上手いねん！！！｣




こんなん見たまま描くだけやんって言いながら、描いた校舎に色を付ける。

下描きは最低限で、色を付ける時に本格的に描くタイプな私は、おくらより早く仕上がった。




｢おもんないわぁ、普通全部下手なパターンやん〜｣

｢全部下手やったら美術の成績どうすんのんな！笑｣


不貞腐れながら画用紙に鉛筆を走らせるおくらのまつ毛が長くて、それをもう1枚の画用紙に写していく。



｢なにかいてんの？｣

｢ん〜おくら〜｣

｢え？ほんまに？見して！｣



柔らかい線で描いたおくらにどんどん色を付ける。

簡易的やけど、なかなか上手くかけたそれを見せるとおくらはもうちょっとイケメンに描いて〜なんて笑った。



｢それいる？｣

｢いいん！？｣

｢ええよ〜あげるわ！｣

｢でもこれ、俺が自分の部屋に飾ってたらキモくない？｣

｢それはキモい｣

｢いや即答やめて｣

｢飾らんでもおいといたらええやん笑｣

｢大事にするわぁ！｣




絵を大事にファイルに挟んだところでチャイムが鳴った。






∴

球技大会→←2回目

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す