ピアス ページ28
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｢A｣
｢なに？お母さん｣
｢進級おめでとう！｣
｢ありがとう！！！｣
｢これな、ちょっと大人になったAにプレゼント。｣
春休みの夕方。
お母さんが仕事に行く前に私に渡してくれたのは、綺麗なラッピングが施された小さな箱で、私はそっとリボンを解いた。
中から出てきたのは黒い石が施されたシンプルで可愛いピアス。
あまりにも嬉しくてお母さんを見ると、お母さんは私の頭を撫でた。
｢これな、ちょっと良い奴やねんけど、Aにつけて欲しくて買ってん。｣
｢穴あけるやつあるん？今つけたいわぁ！｣
｢お母さんがいつも使ってるやつあるからやったるわ、じっとしといてな｣
お母さんはドレッサーから銀色の太い針を出すと、綺麗にそれを消毒した。
少し怖くて、お母さんの服の裾をぎゅっと掴む。
お母さんの行くでっていう合図と一緒に息を吐いた。
耳に異物が刺さる感覚がして、痛みと共に血液がそこに集中する感覚。
すっと針を抜くと、お母さんは私の耳を消毒して片方のピアスをはめた。
もう片方も同じように開けてもらう。
耳たぶの中心より少し下に開けられた穴に煌めくピアスの落ち着いた黒は私好みで、嬉しくて何度も鏡を覗き込んだ。
｢学校には付けて行ったらあかんで｣
｢うん｣
｢大事にしてな｣
｢うん！ありがとう！｣
何度も何度も触ってその小さな存在を確認する。
アクセサリーをプレゼントされるのは初めてで、なんとも言えない気持ちになった。
ファーストピアスになったそれは、春休みが開けるギリギリまで外せなくて少し焦ったけど、ずっと付けていたそれを外して部屋の小さな箱にしまう。
セーラー服を着て、リボンを結ぶと、インターホンがなっておくらの声がした。
私達は今日から中学生になります。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ！！！IDでわかるんやからね！私も好き！！！ (2018年12月17日 8時) (
レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき！！ (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね！嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです！！！住野よるさん私も大好きです！！！これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん！コメントありがとうございます！住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです！あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです！ (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じょび | 作成日時：2018年4月8日 1時
