投函 ページ25
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家からポストまでは少し遠くて、さっきみたいに走り出したい気持ちを抑えておくらの歩くペースに合わせた。
｢お母さんなんて？｣
｢ほんまに出来んのかって。でもお父さんはやってみたらって言うてくれてん｣
｢良かったやん！｣
｢まだなれたわけちゃうで笑｣
｢でも絶対なれるって！｣
｢どんな自信なん笑笑｣
横を歩くおくらは、大事そうに封筒を抱えていて、やっぱり早い内に行動して良かったなって思った。
そうこうしてるうちに赤い四角の箱が見えてくる。
｢ぁぁぁあ緊張するわぁぁぁ｣
｢なんか私も緊張する笑｣
2人でもぞもぞポストの前で足踏み。
ほんまになれるかな、大丈夫かなって、おくらはちょっと泣きそうやけど、なんでか私が自信満々。
まるで未来が見えるみたいにおくらがステージの上で踊って歌って笑ってるところが脳内再生される。
｢なんかわからんけど、おくらがジャニーズになることに関して絶対的な自信があるわ｣
｢ほんま？｣
｢うん｣
おくらはその場で何回かスクワットすると、よしと言って封筒をポストに差し入れた。
でも手が離せない。
その手は少し震えていて、横にいる私にも空気で緊張が伝わってきた。
私はその手を上からギュッと握る。
おくらと目を合わせて、2人で頷くと、2人で一緒に離した。
ストン、と軽い音を立てて中に落ちていった封筒はもう見えない。
横でまたソワソワしだすおくらの背中を叩いた。
｢お参り行こ｣
｢お参り？｣
｢うん！近くに神社あったやん！｣
興奮冷めやらぬ2人は競走しながら近くの神社へ走った。
お辞儀をして鳥居を抜けて、並んで社殿の前に立つ。
｢俺、賽銭ないわ｣
｢私ある！｣
ポケットの中にあったのはさっきのお釣りの55円と、ずっと入れっぱなしの五円玉1枚。
｢おくら45円にしぃ？私15円でええわ！｣
｢なんで45円なん？｣
｢しじゅうごえんがありますようにって！｣
｢ほんなら15円やったら足りひんやん！｣
｢15円はじゅうぶんにごえんがありますようにやねん！｣
｢ありがとう！｣
賽銭を投げ入れて、重い鈴を鳴らす。
二礼
二拍手
どうか、どうか、おくらが日本一のジャニーズになるのをお見守りください
一礼。
頭を上げると、おくらもちょうど頭をあげた。
カラスが鳴いて、もうすぐ日が暮れる。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ！！！IDでわかるんやからね！私も好き！！！ (2018年12月17日 8時) (
レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき！！ (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね！嬉しいお言葉ありがとうございます！頑張ります！！ (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです！！！住野よるさん私も大好きです！！！これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん！コメントありがとうございます！住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです！あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです！ (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じょび | 作成日時：2018年4月8日 1時
