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ゆめ ページ22







サラリーマンになりたいとAに嘘をついた。


俺が、小さい頃からふつふつと思い続けている夢がある。

それはジャニーズになること。

親戚にもてはやされても冗談だと受け取ってきたけど、だんだん本気にしている自分がいて、いつしか俺の夢はジャニーズになることになっていた。


小学校一年生の春。

この街に越してくる前に住んでいたところで、俺は1度だけ、夢を打ち明けたことがある。


「絶対無理やろ笑」


友達だったけどもう顔も名前も思い出せない彼に言われた言葉は俺の喉元にしこりとしていつまでもあって、俺はそれをうまく飲み込むことが出来ていなかった。



「それもいいなあ!都会に暮らしたいわあ!」

Aは、俺の嘘の夢をいいなあと心から言ってくれる。

そんなAに嘘をついていることがチクチクと刺さって、家に着くまでにたくさん話をしてくれたのに腑抜けた相槌しか打てなかった。



「じゃあまた明日!」

「うん、」


俺に手を振って、白い家へと帰っていくAを見ながら考える。

笑われて以来、俺はジャニーズになりたいということをお父さんにもお母さんにも言ってなくて、ずっと心に秘めていた。


このまま誰にも打ち明けずに本当にサラリーマンになってしまうんじゃないか。


嫌だと思いながらも俺はヘタレで、作文用紙の1行目に、題名を書いた。


''サラリーマンになること。''






思ってもいないことをつらつらと並べた用紙はついに、先生の手元に渡った。

添削され帰ってきたそれを発表するのは明日。


俺がいまムズムズしているのは、先生にもお父さんにもお母さんにも、そして、Aにも嘘をついているから。


俺が本当になりたいのはサラリーマンなんかじゃない。

俺が本当になりたいのは。

俺の夢は。





''ピンポーン''


気づいたらAの家の前に立っていた。

はーいと中から知ってる声が聞こえてドアが開く。



「あれ、おくらやん。どうしたん?」


声を出そうとするのに、上手くいかなくてただ口をぐにぐにと動かした。

それに気づいているのかいないのか、Aはとりあえず上がり、と、俺を奥へ通した。



コトリといつものカルピスが俺の前に置かれる。

何度も来るうちに俺にも懐いたとうふがすりすりと俺の膝に寄ってきたのでゆっくり抱き上げて膝の上に乗せた。




「あのな、」

「うん」

「俺な、」








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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時

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