カラスが鳴くから ページ3
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「みんな見て!!
新しい友達!!!」
Aは、公園で遊んでいたほかの人達に大声で宣言する。
急過ぎてビックリしたけどぽんぽんと背中を叩かれて、名前言わな!って小声で言われたから、胸を張って挨拶する。
「転校生の子やん!」
「A!お前いつの間に友達なってん!
ずるいぞ!!」
「今からサッカーすんねんけど1人足りんかってん!!一緒にしよーや!」
反応はそれぞれ違ったけど一人一人が暖かく迎えてくれて、さっきまでの俺の不安は飛んでいった。
「俺、田島祐介!!
覚えてないと思うけど俺ら同じ4組やで!
仲良くしよーな!」
元気に握手を求めてきた祐介君はみんなを呼んでサッカーのチームを分ける。
集まってきたのは俺を含めて10人。
女子4人、男子6人で女子の中には当たり前のようにAもいて、
ぐっぱーで分かれて持ち場に着こうとするみんなをもう一度集めた。
「あんな、4組の南本がな、おくらに意地悪すんねん」
「あ!俺今日引っ張られてるとこ見たで!」
「せやねん。だからな、私らと一緒におろ。
祐介は同じクラスやから、クラス行ったら祐介とおり?」
「うん、分かった。」
「あとな、さっきの公園は南本いっつもおるから、今日からこの公園でみんなで遊ぼ!」
「いいの?」
「当たり前やん!なあみんな!」
「「「「うん!!!」」」」
Aは俺を気づかい事情を説明してくれて、みんなは俺を受け入れてくれた。
周りの人達がこんなに暖かいのは、Aが太陽になってるからやろうなって詩人みたいなことを考える。
いじめられてるとかダサい!なんていう人は一人もいなくて、
シュートを決めたら同じチームの子達はみんな喜んでハイタッチしてくれて、
夕日が沈む頃には気づいたら服が泥だらけになっていた。
「またな!」
一人、また一人と公園から人は居なくなる。
俺もそろそろ帰らないといけなくて、
泥をはらってランドセルを背負った。
「おくら!一緒に帰ろー!!」
Aは俺のランドセルを叩いて笑う。
「いいけど、Aもこっちの道なん?」
「そやで!まだあんまり道慣れてないやろ?
寂しいから一緒に帰ろ!」
沈みかけてる夕日に向かって歩きながら、俺はいろいろAに教えてもらった。
Aは1組なこと。
あの意地悪してきた男子の名前は南本君。
南本君の好きな子は、Aと同じクラスの杉本さん。
校長先生の家が近いこと。
この道を抜けたら商店街があること。
もっと話していたかったのにあっという間に家についてしまう。
カラスの鳴き声が寂しげに響いた。
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じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時