隠れ家 ページ12
∴
そんな俺たちの恐怖なんてつゆ知らず、先生は親宛に遠足の案内を配った。
俺たちは青い顔でそれを受け取り連絡袋にしまう。
終礼が終わって、海って怖いなって話しながらAと2人でいつもみたいに帰った。
「ただいま〜!」
いつもみたいに元気にただいまって言うたのに返事がなくて、リビングに入ったらお母さんが怖い顔でこっち向いた。
「あんた、冷蔵庫にあったシュークリーム食べたやろ」
「え?しらんで」
「嘘つきなや、昨日の夜まであったのに今見たらないておかしいやん。」
「いや俺ちゃうって」
「あれ、今日来るお客さんに出すやつやってんで?どうすんの。」
「やから俺ちゃうって言うてるやん!」
そこからは売り言葉に買い言葉で大喧嘩。
そんなに言うんやったら出ていったるわ、なんて大口叩いて初家出。
家出たはいいけど行くところもなくて、近くのコンビニまでブラブラと歩いた。
「あれ?おくらやん!」
反対方向から来たのはAで、おくらもコンビニ〜?なんて呑気に聞きながら一緒にコンビニに入る。
Aはカゴにお菓子とジャンプを入れて、アイスを物色しはじめた。
「ジャンプ読むんや、」
「うん!私めっちゃ漫画好きやねん!今週のまだ買ってなかったからさ、おくらは何買いに来たん?」
「おれ、家出してきた、」
その言葉を聞いた瞬間、時が止まったみたいにAがじっと俺の目を見た。
多分2秒ぐらいだったけど、体感的には10秒ぐらいあって、責められるかななんて頭の隅っこで考えていたけど、Aから出たのは思いもよらない言葉。
「じゃあ私の家来る?」
そしてまた沈黙。
頭ではまだ理解しきれないけどなんとか口を動かした。
「いいん?」
「だって家出してきたんやろ?一緒にお菓子食べてジャンプ読も〜!」
Aはアイスをやめてポテチをカゴに入れると、お金を払ってコンビニを出た。
Aは俺の家出の理由も聞かずに、今週のドラゴンボール楽しみやねんって言いながら家に向かっててくてく歩く。
白い家の前で、Aは首からかけてある鍵を取り出して鍵穴に差し込んだ。
「お邪魔します、」
「今誰もおらんねん〜!すきにしていいよ!」
そう言うと、靴を綺麗に揃えて脱いで奥の部屋に俺を入れてくれた。
冷蔵庫の中からカルピスを出して、一緒に水で薄める。
席について一口飲むと、今まで興奮していた感情が少し穏やかになったみたいだった。
∴
367人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「関ジャニ∞」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じょび(プロフ) - tadamomopiさん» ももくらさんやろ!!!IDでわかるんやからね!私も好き!!! (2018年12月17日 8時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
tadamomopi(プロフ) - すき!! (2018年12月8日 20時) (レス) id: dd33592cf0 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» 住野よるさんの作品素敵ですよね!嬉しいお言葉ありがとうございます!頑張ります!! (2018年8月29日 16時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - そうです!!!住野よるさん私も大好きです!!!これからもじょび様の作品楽しみにしております(^^) (2018年8月28日 22時) (レス) id: d221d00b99 (このIDを非表示/違反報告)
じょび(プロフ) - ゆうさん» ゆうさん!コメントありがとうございます!住野よるさんの文学作品のことでしょうか、、、それならとっても嬉しいです!あの作品、とっても大好きで何回も読み返したのを思い出します(> <)意識はしてなかったのですがとっても嬉しいです! (2018年8月28日 22時) (レス) id: cab6392b32 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:じょび | 作成日時:2018年4月8日 1時