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Aside
長かった講義が終わって一息つく。広げた文房具をしまいながらLINEを確認していると、伊沢さんから連絡が来ていた。直ぐに開いて文章に目を通す。
今日の撮影に参加出来ないかという連絡だった。今日はこれから予定がないので、向かいますと返事をした。
直ぐに既読がついて、ゆっくり来ていいよと返信が来た。撮影はまだ後らしい。
でも早く行くに越したことはないだろう。私はさっさと荷物を片付けてオフィスへ向かうことにした。
それに他の人を待たせるのは申し訳ない。
照りつける日差しの中、私はオフィスへ向かっていた。
大学からオフィスへの道はもう覚えたので迷うことなく歩みを進める。はじめはとても迷っていたのだが、何回か行くうちに慣れて道も覚えられた。
私はオフィスに向かう道の途中、小さな公園の前で歩みを止めた。
公園の存在自体は知っていたが、特段その公園に用事があるわけではなかったのでスルーしていた。
撮影まで余裕があるらしいし、この公園に少し寄ってみようかな。
自分でもなぜ寄ろうと思ったのかは分からない。気分ってやつだ。
私は公園にあるブランコの1つに座り、軽く漕ぎ出した。
キーコーと軋む音がなんだが心地よくて子供の頃に遊んだ事を思い出す。
そのままブランコを数分ほど漕いだ後私はブランコを離れ、周りに誰もいないことを確認して公園の真ん中で背筋を正し、荷物を傍らにおいて立った。
この体勢をとってすることはただ一つ。
私は目を閉じてすぅっ、と息を吸い声を出した。
「あー、えー、いー、うー、えー、おー、あー、おー…」
1音1音を意識して声を出す。
これは発声練習。私が中学や高校に通っていた頃、演劇部の基礎練習の一環として毎日欠かさず声を出し練習をしていた。
久しぶりにやってみたけれどすんなり腹式呼吸は出来るし、案外衰えてないんだなぁ。
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エリ(プロフ) - きららさん» ありがとうございます!生き甲斐だなんて宜しくないですよ( ˇωˇ )これからも頑張ります、ありがとうございます! (2019年7月22日 18時) (レス) id: 289df29eb3 (このIDを非表示/違反報告)
きらら - もう、生き甲斐になってます(*´∀`)♪ (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
きらら - いつも面白いお話を書いてくださることに感謝しかございません!これからもエリさんのペースで更新頑張ってください!毎日更新楽しみにしてます! (2019年7月21日 20時) (レス) id: 74e44844cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:エリ | 作成日時:2019年7月13日 21時