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後日談その4 ページ49

頭がぼんやりする。


こんなに酒に弱かっただろうかと不思議に思いながら、


なんとなく幻太郎に視線をやると、


ベッドに腰掛けているはずの幻太郎の姿はそこになく、いつの間にか自分の真横に移動していたことに気がついた。

Aは少し肩をびくりとさせたが、すぐに「びっくりした」と素直に驚きを口にする。


どうやら幻太郎は、机上のレポートに目を通していたようだ。


A「どうしたの?シャワー使う?もう寝る?」


そう幻太郎に声をかけてみたが、これといった返事はない



夢野「進んだのか?」

A「ん…、まあまあかな…」

夢野「顔が赤いな」

A「ちょっとチョコレートを食べ過ぎたみたい。結構アルコール強いんだね」



照れ笑いを零しながら、

「でも美味しかったよ」と

そうAが口を開きかけた瞬間、



幻太郎の手にあったレポートが、ベッドの上に舞い散った。



紙がひらひらと宙に漂い、



ばらばらとシーツの上に重なり落ちてゆく。

何が起こったのか理解できないまま、唖然とその光
景を見ていたAは、突如はっと我に返り、弾かれたように立ち上がった。




A「ちょっと!?なにする、ん!?」



椅子から腰を上げた直後、Aの膝は力なく折れ曲がり、そのまま床に突っ伏しかける。



明らかな体の異変に、Aは目を白黒させた。



その様を、幻太郎が小馬鹿にしたように鼻で笑う。




夢野「いくらなんでも酒に弱過ぎでは??少し休んではどうですか」



幻太郎はAの腋に片手を差し込んで体を引っ張り上げると、



紙が散らばったままのベッドに体を突き飛ばされた。



突然のことに受け身も取れず、



Aは顔からうつ伏せにベッドに倒れ込む。



自らの重みで紙がぐしゃりと音を立て、その後体重をかけて背中に幻太郎がのしかかってきた。



こうなっては、いよいよAの頭にも血が上る。



A「幻太郎〜〜!!!ふざけるのも大概にして!!本気で怒るよ?!」



夢野「大きい声出さないでください。酒の周りが早くなりますよ」



なだめるような優しい声色とは裏腹に、幻太郎は乱暴な手つきでAの両腕を後ろに組ませ、



肘から手首にかけて紐でぐるぐる巻きに固定し始めた。







夢野「俺を放置した罰だ…。」







そう言ってニッコリ笑った








A「ヒェッ…」





________________暗転________________

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るうみ - 続きめっちゃ気になります()無理せず頑張って下さい!応援してます (2020年1月6日 23時) (レス) id: d801fe8186 (このIDを非表示/違反報告)
そーか - 続きが楽しみです!頑張って下さいね! (2019年12月31日 23時) (レス) id: 43c04a9725 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2019年12月31日 13時

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