幼馴染が私にだけ意地悪な件【夢野 幻太郎】

30話 ページ30

朝、玄関の扉を開けると、

Aの姿があった。




いつもなら幻太郎が先に来てAを待っている状態なのだが、




どうやら今日は珍しい事に立ち位置は逆らしい。



朝からAに自分を気にかけてもらえて、幻太郎はご機嫌だ。






夢野「貴方が先に来ているなんて、珍しい事もあるんですね。今日は槍が降るんですか？」





幻太郎は意地の悪い笑みを浮かべ、




晴れ晴れとした青空を仰ぎ見て、




降るはずの無い槍の心配をした。





A「本当に失礼ッ！！私だって先に来ることくらいあるから！！」



幻太郎の言葉に反応して怒って言い返してくるAの一生懸命な姿が幻太郎は好きだった。




上機嫌に自分よりも随分と低い位置にあるAの姿を見ようと、空から目を移した。





すると、洞察力の優れた幻太郎はAを一目その視界に映すなり、






普段とは違うAの姿にすぐさま気が付いた。

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