第4話 ページ4
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3年生になり1ヶ月が経った。
春が過ぎたような夏が訪れたような、そんな気温の中Aのクラスでは席替えが行われていた。
出席番号順の席と変わらない席に腰を下ろしたAは面白くなさそうな表情を浮かべていた。
「Aが隣かぁ」
耳に届いた男性にしては高めなアルトトーンにAは視線だけ移した。
不二くん、と口にするAに不二はよろしくね、と簡潔な挨拶を残した。
「なんだかんだ腐れ縁だね、私たち」
「あはは、そうかもね。3年間同じクラスだったしね」
そう綺麗に笑った不二の横顔をAは頬杖付きながら見つめた。不二は良い意味で変わらない、ずっと綺麗なままだった。
そんな視線に気が付いたのか、不二は首を傾げた。Aは不二に曖昧に微笑んで窓から桜の木を見つめた。
桜の木、ああ、そういえば。
「そういえば不二くんって、テニス部だよね？」
視線を逸らさずに不二に問いかければ、不二は「そうだよ」と答えた。
そっか、テニス部。じゃあこの間の少年もテニス部か。
「この間来た後輩くんもテニス部ってこと？」
「越前のこと？」
Aは数回、小さく頷いた。
「そう越前くん」
「そうだよ。青学のスーパールーキーくん。今では立派な柱って所かな。」
そう言った不二はどこか誇らしげに微笑んでいて、Aは自分の口角も上がるのを感じた。不二くんもこういう笑い方するんだな。
「そっかぁ、青学のヒーローくん？」
「ふふ、間違いないかも」
不二を覗き込むように微笑んだAに、不二は白い綺麗な手で口元を軽く覆いながら笑った。
その所作が女の私からしても綺麗で、Aは見惚れるように小さく息を吐いた。
「不二くんって綺麗だよね」
「そっくりそのままお返しするよ」
「ブーメランってやつ？」
Aは不二と何回か軽快な会話を交わした後、教卓に立つ担任に意識を向けた。
窓から入ってきた生温い風にAの髪の毛が揺れた。右耳にかけた髪の毛が擽ったかった。
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福原(プロフ) - ぱーぷる姫さん» ありがとうございます❤︎ぱーぷる姫さんにそう言っていただけて光栄です( X_X ) (2月24日 1時) (
レス) id: cc2ff694b3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱーぷる姫(プロフ) - 涙が溢れ出ました！あまりに綺麗で切ない表現に何度も読み返しました。ありがとうございました！ (2月18日 15時) (レス) id: 4d7ac923b9 (このIDを非表示/違反報告)
福原(プロフ) - 幸絵さん» ご感想ありがとうございます(;_;)またどこかで2人が会える日がくることを願っています、、リョーマ！失恋組！初遭遇です！やはり初恋は実らないものですね、、 (2021年11月10日 9時) (レス) id: cc2ff694b3 (このIDを非表示/違反報告)
幸絵(プロフ) - 完結おめでとうございます！ついついヒロインの先輩と結ばれて欲しい〜って思ってしまいました。話は変わりますが、『劇場版リョーマ！』私も失恋した気分になりました！ (2021年11月10日 6時) (レス) id: 4696a5fece (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：福原 | 作成日時：2021年9月17日 0時
