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先導するトントンとオスマンの後に続いてA達も城内に足を踏み入れた。
ゆったりとした足取りで世間話がてら歩いていたが、区切りがついた所で本題と言わんばかりにトントンが話し始める。
「まずは本日の外交において、総統が同席するという急なお願いを聞いていただきありがとうございます。こちらのわがままにお付き合いさせる形になってしまい申し訳ございません」
『とんでもございません。私共と致しましても総統閣下に直接お会いできるのは光栄の極みです。むしろこちらがお礼を言わなければなりません』
「…そうですか、そう言っていただけて少し安心しました。でしたら、ついでにもう一つお願いさせていただいてもよろしいですか？」
『私共でできることでしたら。何でしょう？』
「私も、本日の外交に同席させて頂いてもよろしいでしょうか？」
トントンがそう言った瞬間、前を歩いていたオスマンの肩が僅かに強張った。
どうやら向こうにとってもこの発言は予想外のことらしい。
案外連携が取れていないのかもしれない、という失礼な感想は胸の奥にしまい込んで、Aは特に動揺も見せずに笑顔のまま彼に答える。
『勿論です。どうぞお手柔らかによろしくお願い致します』
隣の部下はともかくAは既に吹っ切れていた。
最初こそ驚いたものの、総統が出てくるのだから、護衛なり進言なり監視なりで腹心である書記長が付き添ってもおかしくはないのだ。
警戒されているのならどの道こういう展開にもなるだろう。
こちらは我々国を害する気はないが、ならば尚更断る理由もない。
更に気を張らなければならなくなっただけでどの道やるしかないのだ。
「ありがとうございます。事前にご連絡させていただくべきところを申し訳ございません。…オスマン、そういう訳やから」
「…はーい」
肩をすくめるオスマンからは軽く諦めの空気が漂っている。
その様子に疑問を抱いたところで先月も見た扉の前に着いた。
オスマンがノックと共に声をかける。
「総統、お連れしました」
「ああ、入れ」
少し威圧感のある低めの声で返事が返ってくる。
開かれていく扉にAは改めて気合いを入れ直した。
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ゆう - メンバー同士の掛け合いもリアルでテンポよく、話の構成もしっかりしていてとても読み応えがあり面白いです！言葉の選び方や設定まで凄く丁寧で尊敬します。小説として面白く、それでいて『リアル』を崩す事なく描かれていて凄いと思いました。 (2019年8月4日 23時) (
レス) id: 7c238edc15 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - もちえもんさん» コメントありがとうございます。沢山のお褒めの言葉、嬉しいです！書きやすい方と掴みきれていない方でどうしても差が出てしまうのですが、なるべくいろんな方と絡めるように頑張ります。 (2017年5月18日 2時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
もちえもん(プロフ) - 恋愛一色ではないのにこんなに好きになった小説は初めてです。メンバーと仲良くなっていく過程が早すぎず、自然で素晴らしいです！キャラが掴めていて、言葉遣いが上手で尊敬します。今後とも楽しみにしておりますm(_ _)m (2017年5月17日 23時) (レス) id: 801b233da8 (このIDを非表示/違反報告)
璃亜(プロフ) - 那月さん» コメントありがとうございます。読みやすいですか…！ありがとうございます！話の進みは遅いですがよかったら今後とも見ていただけると嬉しいです。更新も頑張ります！ (2017年5月16日 13時) (レス) id: 97b5822f0b (このIDを非表示/違反報告)
那月 - 夢主ちゃん苦労人ですね；´｀文面もきちんとしていてとても読みやすく、面白いです…!!昔ほど酷くないですが未だにやや男尊女卑の所があるのでそこも共感して読めます。これからどのように夢主ちゃんが戦っていくのかとても気になります。更新頑張ってください(*´-`) (2017年5月16日 3時) (レス) id: 329c4228b4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：璃亜
| 作成日時：2017年4月30日 2時
