【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱

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どうやら兄さん、という人は他国へ出張中らしい。
すぐにコンプリートには至らなさそうだが、それでもこれだけの幹部と顔を合わせている国は他にないだろう。


「そろそろ食事にしよう。A、こちらへ」

おっと、またお隣にお邪魔するのか。
グルッペンの呼ぶ声にぼんやりとそんなことを考えていると、隣に居た鬱がすぐに反対の声を上げた。

「前もグルちゃんとマンちゃんの隣やったやん。という訳で今日は僕の隣で食べよ」
「おっ、大先生たまにはええこと言うやんけ！でもお前の隣はあかん、危険や」
「せやな、じゃあ俺らの隣で食お！この間一緒にツアーやったし仲良しやん！」
「お前らの隣やったらうるさくて落ち着かんやろ。てか僕だってAちゃんと仲良しですぅー」

だんだんヒートアップしてくる一部の幹部達。
ありがたいが、正直どこでもいいから早くしてほしい。
ごちゃごちゃと言い争う彼らを遠い目で眺める。
すると、視界の端でこっそり手招きしているひとらんらんに気がついた。
そちらへ歩み寄ると隣の椅子を軽く引いてくれる。


「ここ座りな。あいつらの話にいちいち付き合ってあげなくていいから」
『すみません、ありがとうございます』
「ううん。ほらコネちゃん達も静かにして。早くご飯食べよ」

ひとらんらんが呼びかけるとうるさかった三人が一斉にこちらを向く。
そして既に席に着いたAを見てブーイングを始めた。

「ちょ、げどちゃん！抜け駆け！？」
「違うけど」
「違わんやろ！しかも反対側ゾムやんけ！」
「いや、俺は何もしてない。ひとらんが勝手に呼んだ」
「もういいじゃん明日も居るんだし。さっさと食べて寝かせてあげなよ」

何食わぬ顔でそう言ったひとらんらんにトントンとしんぺい神、エーミールが同意する。
どうやら自分が思っている以上に皆体調を気遣ってくれているようだ。
少し離れた位置のロボロが何故か申し訳なさそうな顔で口を開く。


「そうやった…倒れたんよな。ごめん、ずっと立たせてて…」
『いえ、大丈夫です』
「まあ早く食おうってのは俺も賛成。なあ、自分飯いっぱい食えるタイプ？」
『はい？普通だと思いますけど…』
「！ちょ、ゾム、あかんからな！勧めんなよ！？」
「んー？よう聞こえんなぁ」

何やら楽しそうに返すゾムに隣のひとらんらんがため息を吐く。
不満そうな顔をしていた者も居たが早く休ませるという意見には全員賛成らしく、結局そのままの席で夕食をいただくことになった。

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