【wrwrd!】とある社畜外交官の憂鬱

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その後も四人は城内を見て回った。
結局畑も武器庫も見張り台も行けなかったが、オスマンの説明にコネシマとシャオロンの独特の解説がついた城内ツアーは意外と見所が多く退屈することはなかった。
特筆すべきことと言えば様付けなんてくすぐったいと言われた二人からタメ口を希望され、やんわり断ってさん付けにしたくらいである。

そうしているうちに予定していた昼食の時間になったらしい。
オスマンに連れられて食堂へ向かえば既にテーブルにはグルッペンが待ち構えていた。


「A外交官殿、散策は楽しかったか？」
『はい、いろいろと見せて下さりありがとうございます。皆様のおかげで楽しませていただきました』
「皆様？」
「俺らや俺ら！」
「邪魔するでグルッペンー！」

ひょこっとAの後ろから顔を出した二人にトントンの顔が引きつった。
ヤバい、そろそろこの人ストレスで死んでしまう。

「…お前ら迷惑かけんかったやろうな」
「大丈夫やって！なあオスマン！」
「……ギリ及第点かな」
「え、満点ちゃうん？」
「…まあいい。座ってくれ」

そう示された場所はグルッペンの隣の席。
恐れ多いが総統自ら勧めた席に座らない訳にもいかず、遠慮気味に腰掛ける。
オスマンがその隣へ座り、コネシマとシャオロンも席についたところで食堂の扉が再び開かれた。


「あれ？今日人数多いね」
「あっ、Aちゃん！さっきぶりやな」
「大先生また女作ったん。この間のは別れたんか」

新たに現れた三人、一人は玄関ホールで会った鬱だ。
残りは白い軍服にバツ印のマスクをした男と緑のパーカーをフードまで被った男、今日初めて見る顔だ。
ところで昼食はいつも各々のタイミングで摂ると聞いていたのだが、なんだか集結していないか？
グルッペンとトントンも同じ疑問を抱いたのか眉間に皺を寄せている。

「…何で今日に限って揃ってるんだ」
「と言うかおらんメンバーのが良心的やん。今すぐチェンジしてほしい」
「え？ごめん何かまずかった？あ、お客さんか」
「お客さん？大先生の彼女ちゃうんか」
「残念ながらな。僕の彼女やったらグルちゃんの隣なんか座らせんわ」
「待て待てお前ら、ちょおこっち来いって。おもろい話聞かしたるから」

混沌としてきた食堂内、どこで挨拶しようか迷っていると隣のグルッペンが咳払いしたのが聞こえた。
途端に注目した全員にようやくAの紹介をするが、当の本人は幹部だらけの昼食に混ざって大丈夫なのか不安しか感じなかった。

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