たとえばこんな。の、たとえばこんな。【ars+D.a】完結

41.大好きな・・・ ページ41

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「あ、そうだよ。知ってる？やっぱおーちゃんすげぇんだな。」





うんうんって頷きながら言う有岡くんだけど、知ってるもなにも！





「うっそ！うちの図書館デザインした大野先生っておーちゃんだったのっ？！どうしよう！サイン欲しい！大好きなの！」






思わずそう言った私に有岡くんは「は？」って言ったと思ったら





「好きなの？おーちゃんの事。」





私の方も見ずにぶっきらぼうに言う。





「うん！大好き！・・て言うか、えと、あのね・・・？私、あの図書館が大好きであそこで働きたくて司書になったし大野先生のデザインが大好きで、凄く高かったけど頑張ってあのブランドのポーチも買ったし、えと・・それから・・」





そう言いながらちらりと横目で有岡くんを見たら凄く拗ねた顔をして唇を尖らせてる。





ヤバイ。すごく・・・可愛いんだけど。





「有岡、くん？」


「なに。」


「怒ってるの？」


「別に怒ってないし。」






そう言いながらもやっぱり唇はとんがったままで私の方も見てくれない。






「じゃあ・・・もしかして。」


「なに。」


「ヤキモチ、妬いてくれてたりする？」






自分でも突然こんな事言うのってどうなの？って思うけど





そうだったらいいなぁって思っちゃったんだもん。







「・・・ヤキモチっつーか。」


「つうか？」


「つうか・・・」





拗ねて唇を尖らせたままの有岡くんが「あー！もーっ！」って頭をガシガシっと搔いたかと思ったら





「お手！」




ぶっきらぼうに私に手を差し出すからちらりと有岡くんを見上げながら





「わん・・？」





小さく言いながらそっとその手に手を重ねたけど





有岡くんの手って意外に男らしくて好きだなぁと思ったのは一瞬で





次の瞬間にはそのままぎゅっと引き寄せられて有岡くんの腕の中にいた。

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