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「今までの俺見てたら信じられないかもしれない、けど!
…たぶんずーっと心ん中にAがいて、あ、俺Aが好きなんだーって」
突然の告白に、どうしていいのか分からない。
うれしいはずなのに、いきなりすぎて…信じられない。
「A…?」
不安気な陸の声。
やだ、どうしよう…!
「冗談、じゃないよね?」
「こんなこと冗談で言わないよ…、あのさ、覚えてる?」
「何を?」
「中学ん時さ、ちょこっとだけ付き合うとかってなったじゃん」
「あー…」
「あの時は子供すぎたから…だから、今からやり直したい」
穏やかに話す陸は確かにあの頃と違う大人の男で。
言われた「好き」がじわじわと浸み込んで、なんか泣いちゃいそう。
「あぁ〜泣かないで〜」
「まだ泣いてない」
さっきの陸みたく、テーブルの上のグラスをつかんで中身を飲み干す。
「おぉ…A?」
「…私も、やり直したい」
「ほんと…?」
「うん」
体ごとこっちを向いた陸の大きな手が、私の両手を優しく包み込んだ。
「これからまたよろしくね」
「こちらこそ」
遠回りしすぎたかもしれないけれど、
きっと私たちには今までの経験が必要だったんだ。
気恥ずかしく顔を見合わせて、あの頃みたいに照れて笑った。
・
・
・
「手ぐらい繋いだっけ」
「うーん…記憶にない」
「じゃあそこから始めようね!」
「……今日泊まってく?」
「え、」
「って言おうかと思ってたんだけど」
「と、泊まる! やっぱさっきの無しで!」
end
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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時