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「…海青? これ、腕、どけて」

「……A?」

「そうです〜、 もう…なんの技かけられてんの私〜」


なんとか明るい声を意識しながら、腕をパシパシとたたいていたら。


「ひっ…!」


首元に生暖かい感触。そして視界の右側に海青の頭のてっぺん…舐めた…の…?


「…A、肌白いから…吸いついたら綺麗に赤くなるね、きっと」

「え…?」


衝撃で固まってる私の鎖骨から首、肩と撫でながらそんな事を言う海青の掠れたような声。


「俺、試されてんの…? こんな無防備に部屋に上げて…何もしないと思われてる?」

「なに、言ってるの…」


肩のところに顔を埋めた海青から逃げるように身をよじったら、グルンッて。
敷いたばかりの布団の上に押し倒される形になってしまってさすがにちょっと焦る。


「ちょっ、海青!」

「…黙って」


だまってって…、黙ってられるか!
近づいてくる海青の顔を手でグッと押し返すと案外素直に体を起こした。


「いや、ほんとやめてよ…なんでこんな…」

「そんなんAが好きだからに決まってるだろ!」

「はあ!?」


いやいや…私に跨ったまま、イラついたように自分の髪をぐしゃっと握って逆ギレみたいに言われても…。


「…海青、酔っぱらってんじゃないの」

「確かに酔ってるけど、違う…」

「なにが違うの…」

「だってさ…全然、俺のこと意識してないんかなって…簡単に泊めるとかさ…」

「…さっきの…、私のこと…好きだって…」

「…うん」

「私も…好きだよ、海青のこと」


じゃあ、ってまた覆い被さってこようとしたけど、それは違うでしょ。
さっきと同じように押し返しながら、海青の下から抜け出して正面に座り直した。


「なんで…、だめなの?」

「…もし好きっていうのがほんとに本気なら…ちゃんとシラフの時に言ってよ」

「……」

「今キスとか…その先までしちゃったら、もう今まで通りでいられないんだよ?」


こんな状態で気持ちを打ち明けることになるなんて全くの予想外。

結構しっかり喋ってたし、顔を見てもベロベロに酔っぱらってるわけじゃないのかもしれない。
かもしれないけど…やっぱり酔った勢いでした、なんて悲しいことになりたくない。

俯いて黙ったままの海青に若干の不安。…面倒くさいこと言っちゃったかなあ。


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ちょる(プロフ) - も。さん» はじめまして。たくさん褒めていただきこちらが嬉しくて叫び出しそうです…!ひとまずはもうひとつの作品の方を頑張りますね。感想頂きどうもありがとうございました! (2020年6月7日 21時) (レス) id: 7af395255e (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - こんにちは!お話全て読ませて頂きました、どれも素敵なお話で胸がキュンキュンして叫び出しそうになりながら読みました……これからも更新頑張ってください!猫みたいな〜の作品の方も読ませて頂きます! (2020年6月7日 17時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちょる | 作成日時:2020年3月1日 21時

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