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光「彼女のこと、好きだったよ。それは本当。
だけど……だから、心に残り続けてた。
本気で好きだったから、簡単には消えなかった。
傷付けたくなかった。」
先輩の好きな人は、
光「でも、違うって気付いた。
それはもう恋愛感情じゃなくて。」
好きな、人は、
光「俺が一緒にいたいのは、Aなんだわ。」
先輩が、どれだけ彼女を好きなのかを知っていた。
知っていて、それでも好きになった。
少しずつ少しずつ距離を縮めて、
先輩が隣で笑ってくれるのが嬉しくて。
これからも一緒にいたいと思った。
彼女のことは忘れて、
私を見てくれることを望んだ。
けれど私は、
彼女より大きい存在になれることはなかった。
だから、これ以上貴方を困らせたくなかった。
苦しませたくなかった。
強がって、
大丈夫だって笑って、
この気持ちを忘れてしまおうって、
そう思っていたのに。
A「……っ先輩、……、」
徐々に視界がぼやけていく。
先輩の顔も見えなくて、
今どんな表情をしているのか分からなかった。
私の腕を掴んでいた先輩の手が、
私の手のひらに重なって。
伝わる熱が温かく広がった。
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作者名：環
| 作成日時：2019年11月6日 20時
