キラキラヒカル…Hikaru.Y… (ページ50)

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光「いや、Aが悪いって言ってんじゃねーからな？
ただ、予想以上の映画だったってだけで！
俺をビビリだとか、情けない奴だとか、なんか誤解すんなよ！？」

A「あれ？先輩、涙ぐんでません？」

光「ぐんでません！」

A「じゃあ違うホラー映画でも、また一緒に見てくれます？」

光「い、い、いいに決まってんじゃん？」

A「……あはは！た、楽しみにしてますっ……！」

先輩は格好悪いと言ったけれど、
私はこんな先輩が見れて嬉しいと思う。

映画館に入る前の緊張はとっくに解けていて、今回の映画の怖さについて切々と話す先輩の話を笑いながら聞いていた。

光「あー…やべ、夢に出てきそ。」

A「怖くて眠れなかったら、電話してきてもいいですよ？」

光「っ……しねぇっつの！」

急いでいるわけでも、
焦っているわけでもない。

ただ、先輩の気持ちが少しずつでも変わってくれたらいい。

初めに持っていた気持ちは、そんな小さなものだったのに。

こうして二人で出かけられたこと。

いつもと違った時間を過ごせたこと。

今まで見たことのなかった先輩が見られたこと。

そんな些細なことが、

どうしようもなく嬉しかった。

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