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A「……そうですか。」
光「…へ?」
A「少しでも先輩の力になりたくて、恥ずかしいのを我慢して、素直に気持ちを伝えたのに……。」
光「……あ、……」
A「やっぱり私はただの後輩ってだけで、それ以上にはなれないんですね。」
光「え、いや、ちょっと待っ……、」
A「変わっていこうなんて思える価値、私にはないんですよね。そっか……。」
光「ちょ、ちょっと待て!そんなことあるわけねーだろ!?
あんまり…そういう風に考えたことなかったってだけで、おまえのこと……、」
口に出そうとした言葉を手で抑えて、顔を真っ赤にしながら、しまった、という顔で私を見た。
私から滅多に零れることのない弱音を、
先輩が否定してくれることは分かっていた。
分かっていて、先輩からの言葉を待っていた私は、性格が悪いだろうか。
A「先輩。私、先輩といると、楽しいです。」
光「……おー。」
A「先輩はどうですか?楽しくありませんか?」
光「た、楽しい……けどさ。」
A「じゃあ、一緒にいましょうよ。」
光「でも、俺まだ……、」
A「知ってますってば。言ったでしょ?そういうの全部引っ括めてるって。」
先輩への気持ちを、
一度認めてしまえば楽だった。
ちょっとした言葉に泣きそうになったのも、
一緒に過ごす時間を楽しみにするようになったのも、
すべての感情の答えに繋がった。
そうして言葉にしたら、
もう悩むこともなかった。
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作者名:環 | 作成日時:2019年4月14日 10時