フェイクラバーズ…Yuri.C (ページ45)

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A「あ、そういえば……。」

今日は侑李は迎えに来ない日だったか、と
歩きながら考える。

昨日、山田くん達とフットサルに行く約束をしていると言っていた。

多分大貴も誘っているのだろう。

侑李とは色々なところへ一緒に行ったけれど、大貴が付属してくるであろう場所に行く時、絶対に私を誘わない。

それには何となく、気付いていた。

侑李は、妙なところで気を遣う。

自分はバイト先はもとより、
今も自宅では彼女と顔を合わせているというのに。

侑李の実家には、彼の想い人である従姉が居候として暮らしている。

それを聞いたのは、付き合ってわりと直ぐのことだった。

私は、今となっては大貴と顔を合わせることは少ない。

だけど侑李は毎日。
顔を合わさないことの方が少ない。

そんなとき、侑李はどんな気分なのだろうか。

侑李の家にはよく行くけれど、
あまり店長と会うことはなかった。

会っても侑李が早々に彼女を追い払う。

まあ、バイトに行けば会うこともあるし、
別にいいけど。

そんなことを考えながら、
廊下を進んで大学館内から出た。

少しずつ、涼しくなってきた風を感じながら
顔を上げると、見慣れた姿が目に映った。

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