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大貴「……いや、別に……ない、けど……。」
侑李「そう？ま、そうだよね。じゃあA、行こっか。」
A「あ、うん。」
そうして私と侑李は、呆気にとられた大貴たちを置き去りにして歩き出した。
それは見事な恋人宣言だったに違いない。
暫くの間、彼等がその場から動き出す気配はなかった。
A「――、ねえ！見た？大貴の顔！」
侑李「見たよ。ああいうの、間抜け面って言うんだろうね。いつもだけど。」
A「えー？いつもより間抜けだったよー！」
私たちの、
いや、私の中にあったのは小さな優越感。
どうだ、大貴め。
少しは寂しい気持ちになっていればいいんだ。
そう願いながら私は声をあげて笑った。
A「それにしても、よかったの？」
侑李「何が。」
A「ゲーム？」
侑李「ああ、別に。」
そうして侑李に問いかければ、
なんでもないことかのような答えが返ってきた。
それこそ、もうすぐ遊んでいられなくなるのだから、彼等との時間を大切にしてもいいようなものなのに。
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作者名：環
| 作成日時：2018年11月3日 16時
