46(side Y) ページ46
side>＞＞Yuya
A、愛されてんじゃね？
確信はないけど。
光くんから昨夜の話を聞いて、有岡という人物への印象が今までとがらり、と変わったことを自分としては素直に受け入れた。
光「そんな簡単に信じらんねー。」
雄也「まだ疑ってんだ？」
光「…電話だし。
アレが演技か本気かわかんねーじゃん。」
疑い続ける光くんに首を傾げるが、まあそれは無理もない。
光くんは有岡について、長い間情報を入れ過ぎているから。
一度固められたイメージを変えるのは、
なかなかに難しい。
光くん自身が感じた有岡の印象と、
今までの情報から聞きかじった有岡像との違いに
戸惑っているように窺えた。
雄也「まあ、本気なんだと思うけど？」
光「え、おまえ単純過ぎない？」
雄也「いや、むしろ光くんが深く考え過ぎでしょ。情報に惑わされてるっていうか。
あとさ、Aだって子供じゃねんだから。」
首突っ込みすぎ、と諌めると光くんは眉間を寄せてむす、とした顔で前ボタンを留めた。
雄也「…A、めっちゃ信用されてんじゃん。
彼氏の許可無しに男友達の家泊まって、本人寝てる間に電話に男出て…俺だったらキレるわ。」
光「それは、そう、かも、だけど！
自分にやましいことがあるから責めないのかもしんねーじゃん！」
雄也「…Aに構ってばっかで元カノの浮気責められなかった自分と一緒？」
光くんが、ちっがーう！と口を尖らせているのを受け流しながら、Aのことに考えを巡らせた。
本人がちゃんと聞いたら、
どうなるにしても結果が見えると思うんだけどね。
Aも光くんも、
見事にこじらせてくれている。
まだ遠そうな一件落着に、
深い溜息をついた。
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月28日 23時
