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キーボード横のスマホに手を伸ばして、アプリを開く。
昨日の夜、大ちゃんから届いたメッセージは普段通り、
芸能界のお友達、との楽しそうなやり取りだけが書かれていた。
(ああ、もう、ほんと嫌になる。)
急に嫌気がさして、それを裏返し先程までと同じ場所に戻すと、手を離した途端にそれが動いた。
表に返すと画面の真ん中に、
さっきは無かった通知が表示されていた。
＊
A「光くんお疲れ様ー。」
光「おー、まじスーツ疲れるわー、」
フリースペースの椅子に腰掛けたリクルートスーツ姿の光くんに労いの言葉をかけ、向かいの椅子に腰を下ろす。
光「Aなにしてたん？」
A「昨日の実習レポート。
早く終わらせちゃいたくて。」
光「あー、それ俺もやんなきゃだわ。」
気だるげに机に突っ伏した光くんの頭を、ポン、と優しく叩くと、その手が強く掴まれた。
咄嗟のことに驚いて、目をパチパチとさせる。
A「え、光、くん？」
光「おまえ有岡と何があった？」
A「えっ？」
突然の問い掛けに、心臓が大きく飛び跳ねる。
A「別に、何もないよ？」
そう言いつつ、口から出る言葉に表情が追いつかない。
顔を硬くしたまま返事をすると、
刺すような厳しい視線が送られた。
.
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作者名：環
| 作成日時：2018年7月28日 23時
