メルトサマー②…Ryosuke.Y... (ページ37)

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アフターサマー…1 ページ37

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まだ夏の熱気が冷めやらぬうちに
夏休みは明けて、また学校が始まった。

ホームルーム冒頭の挨拶もそこそこに、配られた1枚のプリントは去年通り過ぎたはずの進路希望調査。

まだ高等部に上がったばかりなんですけど？

これぞ浮ついた夏の空気を一掃するには最適な、最強の紙だ。

「いいかー、高校の3年間なんてあっという間だぞ。
早いうちから目標決めて取りかからないと、3年になってから騒いでも遅いからなー。」

本格的に大学受験を間近に控えた3年生たちに圧迫されて、先生たちはその熱気を引き摺ったまま私たち下級生の授業も行う。

こっちにまでその熱風が及んでくるのだ。

だからまだ1年生の、2学期も始まったばかりだというのに、もうこんな話。

だけどこれでもうちは進学校なので、先生の言うことを真に受けて、みんな真面目な顔でプリントを見つめる。

そんな中、トン、と背中に何かが当たって私は振り返った。

見てみると後ろには、机にうつ伏せた茶色い頭があって、その頭の下敷きになっている腕がそのまま真っ直ぐに延びて私の背中に当たったようだ。

また、こいつは。

新学期早々、それも朝っぱらから寝ている。

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