メルトサマー②…Ryosuke.Y... (ページ1)

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大貴「ごめん、山田のことは…余計なこと言い過ぎたわ。」

A「…そんなことない、」

大貴「Aのことだから、Aが決めりゃいーよ。好きとか嫌いとか、どっちも思い込むことじゃないじゃん。

…どっちかじゃなきゃダメってこともねーんだからさ。」

A「うん……。」

好きも嫌いも、思い込むことじゃない。

好きになる必要も、
嫌いになる必要もないんだ。

ただそこにある感情を解きほどいて、
そのまま受け止めればいい。

受け入れて認めてしまえば、きっと苦しさはなくなって、もっと視界が広くなる。

大貴「なんだっけあいつ名前、翼？
心配してた。後でちゃんと話しに行けよ。」

A「うん…。」

ぐずつく梅雨の空のように、
揺れては晴れて、乾いては濡れて、

私たちは本当に疲れる生き物だ。

それでも私たちは、沈んでも沈んでも、
浮き上がる力をきっと持ってるから、

こうしてまた笑うことが出来る。

大丈夫だ。

私はひとりじゃない、と
信じることが出来る。

夕食の時間になり大ちゃんと食堂へ行くと、
翼がどこ行ってたのー？と
一目散に駆け寄ってきた。

私はごめんね、と謝って、
後で話したいことがある、と。

翼の部屋に行く約束をした。

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