私の推しは久々知兵助くんだが、今告白されてるのは竹谷八左ヱ門くんで…あれ〜？陸っ！

29 ページ29

「はぁぁ…いいお天気…平和だなぁ…」


ちょうどいい気温と心地のいい風が吹き
自分の髪が乱れないように髪を抑えて
今日はただぼんやりと周りを眺める



遊び始める下級生が駆けずり回るその様子も


誰かと誰かがのんびり話している様子も


そして、『やだやだやだ食べたい〜！！！』と泣きながら駄々をこねるしんべヱくんの声も




…平和だなぁ





ん？？？？いや待て最後の何？？？？


ぼんやりとしていた私の脳もその声で覚醒し
あたりを見渡せば
抵抗しているしんべヱくんを引っ張ろうとしている
乱太郎くんにきり丸くんがいるではないか





「ダメだよしんべヱ！！」

「諦めろって！！！！」

「や〜だ〜！！！！！！！！！！！！！」




その会話を聞き、なんだか今日はいつもの食欲による駄々とは違うような感じがする

そう思って私はすぐ様立ち上がって
三人の元へ駆け寄って声をかけた



「どうしたの？三人とも…！」



私が声をかけて乱太郎くんときり丸くんが振り向けば
二人は明らかに困ったような顔をして
まず、乱太郎くんの方が早く私に反応を返してくれた


「あ…！A先輩！！
実はしんべヱがお腹を壊しまして…」

「でも、しんべヱこの後
五年い組の久々知先輩のお豆腐を食べる約束してたみたいで…こんな感じに…」

「お豆腐食べるのぉぉぉお！！！！！
食べたいいいい！！！！！！！！！！！」

「あらら…」



お腹が痛いためなのか少し顔色も悪いしんべヱくんが必死に抵抗する姿は
こちらが見ていても少し痛々しい…
これは早く保健室で見てもらった方がいいだろう
けれど、どうしたものか…と私も頭を悩ませてしまう




「でもお腹痛いんでしょ！！！！！！」

「でもでも久々知先輩待ってるもん…！」

「困ったなぁ…」

「私たち早く保健室に行かないとなのに…」

30→←28

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す