悪魔と私の恋愛論 (JIMIN)

5 ページ5

_



元彼とは5年付き合って同棲までしてた。

きっとこのまま結婚なんだろうなって。
私は幸せになれるんだろうなって安易に考えてた。



だけど、現実はそんなに甘くなかった。

仕事が忙しくてすれ違いの日々に2人の間の溝は深くなっていく一方で。

いつの間にか彼には別に好きな人ができていた。




『別れよう･･･
ごめん、好きな子が出来たんだ。
Aは仕事があれば生きていけるだろ？』




そんな言葉1つでドン底にまで心が沈んだ。

彼との時間はそれ程私にとっては大きかった･･･。





仕事が早く終われば、貴方との別れは来なかった？

もっと話す時間があればこんな事にならなかった？




"たら""れば"を繰り返して自問自答する日々。








JM「おーーい･･･キム？･･･キム・Aー？」


｢もうっ･･････先輩のせいです！全部！！｣




恥ずかしい。

これじゃ完全に八つ当たりだ。

いい歳した奴がなにしてんだ･･･。




JM｢･･･ごめん･････････泣くなよ｣


｢･･･っ、泣いてなんかっ･･････｣



先輩の言葉で初めて涙が頬を伝ってる事に気づく。

先輩の華奢な体に似合わない大きな手が私の頭の上に乗る。




悔しい？

悲しい？

辛い？



違う、ちょっと疲れたんだ･･･。



こんな風に誰かと一緒に夕食を食べるのも。

あやす様に頭を撫でて貰うのも。

隣に温もりを感じるのも。

全部全部、久しぶりで涙腺が弱くなってるだけ･･･。





｢･･･先輩、もう大丈夫です･･･。すみません｣


JM｢ん、泣き止んだ？｣




俯いてる私の顔を覗き込んでくる先輩



毒ばかり吐くから忘れてたけど、この人イケメンだった･･･。


思った以上に近い距離で先輩の顔があるから、驚いたのとドキドキとで涙なんて一瞬でひっこんでった。

_

6→←4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す